村松祐輔と関口愛弓が手掛ける「ミューラル(MURRAL)」が5月12日、「サロン ド ミューラル 南青山(Salon de MURRAL Minamiaoyama)」をオープンする。代官山で月に1回開催していた予約制ワークショップスペースを移転し、新たに完全予約制の店舗として構えた。
花を手にするトキメキとブランドの根源にある二面性をデザイン
ストアのコンセプトは「花屋」。村松デザイナーは、「僕自身、家に飾る花をよく買う。何か美しいものを求める時、人は自分に精神的な力を込めたいという思うからではないか。新店舗は、そんな花のように豊かできらびやかなものを日常に提供できる場にしたい」と語る。そこで「ブーケを受け取る感覚をデザインのヒントにした」。店内は白を基調に、「ミューラル」のために時間を設けてくれた客をゆったりもてなす客間をイメージ。角を丸く仕上げた中央の白い什器や、シンプルなシルバーラインのハンガーラックなど、ブランドが大切にする“有機質と無機質”や“直線と曲線”“柔らかさと硬さ”といった二面性を、空間の随所に落とし込んだ。さらに、コレクションの着想源や制作過程の展示など、モノ作りのストーリーも体感できる。
「南青山の閑静な雰囲気が新しい空間の一部になる」
店舗はあえて看板を持たない。場所は、六本木通りに程近い骨董通り沿いに位置。都心の中心にありながらも閑静なエリアで、店内から遠目に望む根津美術館の竹林のグリーンが白い空間を引き立てている。それほど、村松デザイナーはこのエリアとこの場所にこだわったという。「名の知れたファッションやアート、カフェの店が連なる通りでも、駅から離れた静けさもある。時には子連れのファミリーが通りがかり、子どもたちの声も聞こえて生活感も感じられる。この雰囲気がブランドの新たな空間に一部になる」と場所を決めた。
また「店自体も花のようでありたい」とサロンとしての新たな思いも語る。「他ジャンルのアーティストやクリエイターの作品も展示するギャラリーなど、ブランドの世界観や強みを研ぎ澄ませていくスペースを設ける。『ミューラル』だから体験できることを常に提案したい。種から始まり、いろんな活動や出会いを経て、さまざまなブランドの花を咲かせられるように。つぼみが開くまでどんな花になるかわからないし、時には咲かない花もある。ここを拠点にブランドの幅広い挑戦をつなげていきたい」。
オープン時は、ストアのコンセプトに合った植物や花をテーマにした最新の2025年春夏コレクションに加え、絵描きのイズミダリー(Lee Izumida)を起用したブランド初のカプセルコレクションを先行発売する。「エデン(EDEN)」をテーマに、映画監督のデレク・ジャーマン(Derek Jarman)の自宅の庭から着想を得たイズミダによるポピーの花のイラストが、キャミソールドレス(5万5000円)やノースリーブトップス(3万3000円)、スラックスパンツ(3万9600円)を彩る。また、帽子ブランド「メゾンドリリス(LA MAISON DE LYLLIS)」とコラボレーションしたハット(3万3000円)もラインアップする。
◼️サロン ド ミューラル 南青山
オープン日:5月12日
住所:東京都港区南青山6-7-1 タウンハウス南青山1F
営業時間:10:00〜19:00(完全予約制)
※月2回営業する土日の週末は13〜17時に限り、予約なしで入店可