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藤田ニコル「遠回りして見つけた、“かわいい”の近道」 100歳になってもギャルマインドで突き進む

PROFILE: 藤田ニコル/モデル・タレント

PROFILE: (ふじた・にこる)1998年2月20日生まれ。オスカープロモーション所属。愛称は「にこるん」。2009年「第13回ニコラモデルオーディション」でグランプリを獲得し、専属モデルとなる。14年からは雑誌「Popteen(ポップティーン)」で活動し、バラエティー番組などでも活躍。17年からは「ViVi」の専属モデルを務める。2023年に結婚。アパレルブランド「カルナムール(CALNAMUR)」、コスメブランド「シーメル(cimer)」などをプロデュースし、24年からはパーソナルジム「スイ(sui)」も経営している。 PHOTO:TAMEKI OSHIRO

2025年3月、7年半務めた「ViVi(ヴィヴィ)」の専属モデルを卒業する藤田ニコル。同誌との最後の大きな試みとして美容本「私が垢抜けた82の方法」を制作した。これまで、写真集やスタイルブックなどの書籍を出版してきたが、美容をテーマとした1冊は初とのこと。

「私が垢抜けた82の方法」では美容遍歴を振り返り、メイクからスキンケア、ボディーメイクなどに加え、今回初めて語ったという美容医療からSNSで話題をさらった“花嫁メイク”まで、余すことなく出し切った。「あか抜けには必須」と藤田が語るマインド面についても掘り下げ、新しい門出にふさわしい充実の1冊が完成した。藤田にその読みどころと今後の展望を聞く。

本には今まで話してこなかった美容医療や歯のことまで

WWD:「私が垢抜けた82の方法」を出版した背景は?
藤田ニコル(以下、藤田):卒業前に「ViVi」チームと一緒に本を作りたいと思い、美容本「私が垢抜けた82の方法」の制作をスタートしました。これまでの人生を振り返ると、見た目も内面も「あか抜けた」と自分で感じたことから、テーマは美容がいいと提案しました。ファンからも、ファンじゃない方からも「最近かわいくなった」という声をもらうことが増えたんです。

WWD:「82」という数字に何か意味があるのか。
藤田:本を作るために20時間インタビューを受けたのですが……(笑)、美容にまつわることを数えたら82個だったんです。本当は100個と言いたいところですが、82個がリアル。自分が日常でやっていたことが、気付けば美容法になっていて、マインドの部分などは「こういう性格だったんだ」と自分を改めて知れた部分もありました。

WWD:美容本だからこそ明かしたことも?
藤田:今まで話したことがないパートもあります。本なら買って開いてくれる方だけが見てくれるので、全部さらけ出してもいいかもって思ったんです。SNSだといろいろな人が見てるので、何を言われるか分からないですから。これまであえて言っていなかったことも赤裸々に全部書いたし、特に内面について触れている部分は読んでもらいたいな。

WWD:美容医療や審美歯科についても率直な感想が書かれてあり、読者にとっては大変参考になる。
藤田:美容医療のことは友達同士で話したりするけれど、別に隠していたわけじゃない。わざわざ言うことでもないと思って、SNSでは発信していませんでした。でも、自分の美容を振り返ったときに、やっぱり美容医療や審美歯科がターニングポイントになっている。良いことも悪いことも全部みんなに教えた方が、美容本として正直だと思ったので取り上げました。

ちなみに、好きなエピソードは自分の前歯。写真で分かりやすく第1形態から第3形態まで並べているページがあるのですが、歯の印象でどんどんあか抜けていったのが分かると思います。

WWD:最短ルートであか抜けたい人に、おすすめなことを一つ挙げるとしたら。
藤田:まずは、清潔感。これを意識してヘアメイク、身だしなみを整えるだけでも印象が大きく変わると思います。メイクは道具も何も変えなくていいし、明日からできる。いつもの工程を丁寧に、まつ毛は1本でもダマになっていないか、眉毛は左右対称か、ファンデーションはむらなくきれいに塗れているか。細かなことを意識すると、あか抜けて見えるのでトライしてみてほしい。

WWD:あか抜けに直結したことが具体的に書いてある。
藤田:いろいろな失敗や経験を経て、今の私があるんです。別に今も完璧じゃなくて、常にかわいいを更新し続けていきたい。だから「私が垢抜けた82の方法」には、私が遠回りして見つけた“かわいい”の近道を詰め込みました。

モデルは新しい自分を見つける場、テレビはビジュアル研究の場

WWD:モデルとして撮影に臨むときは、自分のアイデアやリクエストもヘアメイクに伝える?
藤田:モデルの仕事はブランドの世界観や商品の魅力を伝えることが一番大切なので、自分の意見は言いません。その企画に合ったファッションやメイクが、私の中では“正解”だと思っています。自分の意見を伝えてしまうとコンセプトとずれてしまったりして、ヘアメイクさんを困らせてしまうので、自分が盛れていなくても気にしないです。

あと、いつもの盛れるスタイルに誘導しちゃうと、新しい自分に出会えないから。モデルの現場は新しい自分を引き出してもらえるチャンスなので、プロに委ねます。「盛れてないな〜」と思う日もありますが(笑)、企画が成り立っているなら問題ないし、それも経験の一つです。

WWD:テレビでは?
藤田:テレビ収録は、ビジュアル研究の場にしています。自分でコスメを持参してヘアメイクさんに使ってもらったり、試してみたいビジュアルに挑戦したりしています。そうすると、SNSでみんなが「盛れてる」「髪形かわいい」とか、「そうでもない」「もっとこうしたらかわいいのに」などの声を投稿してくれるので、「なるほど!」と思って意見を参考にすることもあります。誹謗中傷のコメントはスルーするけどね。

パーソナルカラーは全無視「ときめきでお買い物をしよう」

WWD:コスメはどこで購入している?
藤田:オンラインはもちろん、原宿の「アットコスメトーキョー」やドン・キホーテに行ってお買い物をしています。最新のものやSNSでバズっている商品は絶対にゲットしないと気が済まなくて、メイクやファッションを楽しむには、いかにミーハーであるかが大事だと思っています。本にも書いたのですが、リップの色見本がECサイトとかSNSに載っていると思うんですけど、あの発色は信じないこと。みんなそれぞれ唇の色は違うから、塗っても全く同じにはならないからね!

WWD:最近は自分のパーソナルカラーを認識している人が増えていて、それを基準にショッピングする場合も多いと思いますが。
藤田:私はイエベ春ですが、パーソナルカラーは全無視でコスメを買っています。ほしい!と思ってときめいたコスメが買えないなんてしんどい。だから、合わないとされているカラーでもビビッと来たら買うようにしています。

自分に似合わないかも?と思う色味を取り入れるときはコツがあって、ほかのパーツのメイクでバランスを取るんです。私は青みピンクが好きなんですけど、似合わないとされているので、ブルーの化粧下地で肌色から青み系に寄せてみたり、カラーコンタクトをグレー系にしたりと、統一感を出すんです。似合わないからと諦めるのではなく、自分にハマるように持っていくんです。

SNSの情報が多すぎて、(使う前に)否定された気分になってしまうと思うけれど、みんな「ときめき」でお買い物をしようよ。その気持ちを大切にしてほしい。

WWD:みんな正解を求めすぎている?
藤田:そうだと思います。「私似合わないから」とみんな口癖のように言うけれど、じゃあいつもの顔のままで、新しい自分を発見できなくてもいいの?って。お気に入りの一軍コスメに新しいエッセンスを入れていかなきゃ、つまらないよ。

「100歳になってもギャルマインドでいたい」

WWD:2023年8月に結婚を発表。SNSで発信した花嫁美容は、話題になっていた。
藤田:結婚式のときは、人生史上最高にビジュアルが良かった。たくさんの反響があって、正直「こんなに需要があるのか!」とびっくりしました。コスメや美容が好きなことは公言していたけど、みんなまねしてくれるんだと思ってうれしかったし、自信にもつながりました。

WWD:2月で27歳になりましたが、これまでと変わらない点は?
藤田:(即答で)ギャルマインド!50歳、100歳になってもこの気持ちで突き進みます。自分で考えて行動して、どうにかできるのがギャル。私は仕事でもプライベートでもギャルを経験したことが良かったし、今の自分にも生きていると思います。

WWD:この本の出版のきっかけでもある「ViVi」の卒業について、心境は?
藤田:7年半という長さに私自身もびっくりしています。どの雑誌の専属モデルよりも長く、寂しい気持ちはあるけれど、悔いはないし、やり切ったという気持ちが一番ですね。

WWD:最も印象に残っている撮影は?
藤田:初登場が表紙だったので、プレッシャーで震えましたね。大人になりたいギャルマインド全開の私が、かっこよくて、かわいくて、きれいで、一人一人の個性も立っていた「ViVi」モデルの中に飛び込んで。最初は否定的な声も届いたけれど、結果的に読者の皆さんに認めてもらえて7年半も頑張れました。ちゃんと「ViVi」に貢献できていたと思います。

WWD:ディレクターを務めているファッションブランド「カルナムール」も新宿ルミネエストがオープンして1年が経過。振り返ってみて。
藤田:新宿ルミネエストにお店を構えたことで、たくさんの人に「カルナムール」を知ってもらえた1年だった。だからこそ、これからも皆さんに来たいと思ってもらえるお店作りをもっと頑張りたいです。服作りは本当に大変ですが、それが楽しい。ゆくゆくは、自分の名前がなくても売れるブランドになるよう、まだまだ育てていきたいと思います。

WWD:今後の展望を教えてください。
藤田:ここまで全力疾走で駆け抜けてきたので、まずは充電したいかな。これからも大好きなモデルの仕事は軸にしつつ、まだ考えている途中ですが、皆さんがびっくりするようなプランを練る期間にしたいです。

これまでインスピレーションを得る時間がすごく少なくて、新しい刺激に触れてなかったので、4月からはいろんなものを吸収しに出掛けたり、旅行したりしたい!結果仕事のためなんですけど、さまざまなことをインプットして、もうワンランク成長した藤田ニコルになりたいです。

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