セレクトショップによるゴルフブランドの先駆けとして、2011年にスタートした「ビームス ゴルフ(BEAMS GOLF)」。19年に、当時契約していた渋野日向子プロが全英女子オープンで優勝したことで一気に知名度を高め、そのままコロナによるゴルフバブルに突入した。ゴルフ市場全体と同様に、直近は需要の先食いの反動もあってやや足踏み状態だが、24-25年秋冬から、改めてビームスのネットワークや目利きの力を生かして発信を強化。そのため、立ち上げ時からゴルフ事業に携わってきた西脇哲氏が、3年ぶりに「ビームス ゴルフ」ディレクターに復帰した。(この記事はWWDJAPAN2024年8月26日号からの抜粋に加筆しています)
「ゴルフブームにあぐらをかいて、この2年間は新商品の発信ではなく売れ筋商品の追加や定番品の投入が多かった。お客さまが欲しがるモノはもっと多様にあるはず。それを忘れて、顧客を満足させるような品ぞろえができていなかった点が反省点だ」と西脇ディレクター。24-25年秋冬の展示会で打ち出していたテーマは“ニューヨーク“。高層ビル群の柄や、ニューヨーク・ヤンキースのユニフォームを思わせるストライプといったキャッチーな要素を、オリジナルのウエアや雑貨に取り入れている。
「突っ込みたくなる要素が大切」
「ゴルフウエアとして機能性はもちろん大切だが、お客さまがワクワクし、『何これ(笑)』って突っ込みたくなるような要素は大切。キャッチーさをフックに、(今ゴルフから離れているお客さまも)もう一度店に来てほしい」。バラエティーある品ぞろえの一環として、米国のゴルフ場を回って併設のショップで買い付けた、マーカーやティーなども販売する。
老舗セレクトショップの情報ネットワークを生かし、他社ではまだあまり扱っていない海外ブランドの仕入れや別注商品にも改めて注力する。目利き力の例で言えば、ここ数年ですっかり人気になったロサンゼルス発「マルボンゴルフ(MALBON GOLF)」も、国内ではコロナ以前から付き合いのある「ビームス ゴルフ」でしか別注品は販売していない。また「実は今、(米国ではなく)欧州のブランドが打ち出すゴルフスタイルが熱い、という情報が社内の別部門のバイヤーから届いている」と西脇ディレクター。「新しいことにチャレンジしているブランドと取り組んで、面白いことをしていきたい」と楽しそうに話す。
「ニューヴィンテージゴルフ」に反響
実は西脇ディレクター個人としても、近年あるチャレンジをしている。古着愛&ゴルフ愛が高じて、コロナ前からゴルフに関連する古着を集めてインスタグラム(@new_vintage_golf)で発信してきた。国内外のゴルフ関係者から大きな反響を得て、有力ショップで古着のポップアップを実施。昨年からビームスがサポートする形で「ニューヴィンテージゴルフ(NEW VINTAGE GOLF)」の展示会も行い、今春は海外で特に人気という「ミズノ(MIZUNO)」のオールドロゴを生かしたコラボ商品も発売し、ヒットにつながっている。
現在、直営店舗数は16。昨年から卸販売を強化しており、アルペンの「ゴルフ5」などで一部商品を販売。「卸先をタッチポイントとして、ブランドファンを増やし、直営店の来店にもつなげていきたい」。