ビューティ

ロレアルがスイスの長寿バイオ企業に投資 ウェルビーイングの次なる鍵として注目

ロレアルグループ(L’OREAL GROUP、以下ロレアル)はこのほど、コーポレート・ベンチャーキャピタルファンドのBOLD(Business Opportunities for L'Oreal Development)を通じてスイスの長寿を目指すバイオテクノロジー企業のタイムライン(TIMELINE)の少数株式を取得した。取引額などの詳細は明らかにされていない。

バイオテクノロジー企業のタイムラインとは

タイムラインは、食品や健康などの領域で長寿のためのソリューション開発に取り組む。同社は2007年にスイス連邦工科大学チューリヒのスピンオフ企業としてクリス・リンシュ(Chris Rinsch)社長兼共同創業者兼とパトリック・アビッシャー(Patrick Aebischer)会長兼共同創業者が設立した。

ロレアルは今回の資本参加について、「タイムラインは、細胞の原動力といわれるミトコンドリアを若返らせ再活性する分子“マイトピュア(Mitopure)”を開発した独自技術を持つ。この画期的な技術は、科学者による10年以上の研究や臨床試験によって生まれた。資金調達により、タイムラインはこの技術をさらに発展・拡大し、ロレアルとは将来的に良い協力関係を築くだろう」と声明を発表した。

ビューティ業界の次なる鍵は「長寿」

昨今、ビューティ業界では「健康」「ウェルビーイング」が注目されている。科学の進歩により「長寿」が次のキーワードとなり、市場を大きく変えつつある。

ロレアルのバーバラ・ラヴェルノ(Barbara Lavernos)副最高経営責任者(リサーチ&イノベーション/テクノロジー部門担当)は、「長寿とは健康的に長生きすること。われわれは長寿と美容の関係を明らかにするため、10年以上研究に取り組んできた。肌や頭皮、髪の老化を予測して修正し、さらには若返らせるという点で美容を進化させる。タイムラインへの投資により、長寿や肌の健康、美容に貢献できるだろう」とコメントした。

ロレアルは買収や資本注入のペースを上げている。1月9日には、独自の節水ソリューションを開発するスイスの環境スタートアップ企業ギョザ(GJOSA)の買収を発表した。昨年は中国のバイオテック企業シャインハイ・イノベーション(SHINEHIGH INNOVATION)と、美容製品のサステナブルな代替原料を開発するバイオテクノロジー企業のジェノ(GENO)が創設したベンチャー企業に出資した。

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