ファッション

「ジル・サンダー」2015年春夏ミラノ デザイナー交代でボーイッシュな再スタート

 ジル・サンダー本人の3度目の辞任、デザインチームによるコレクション発表を経て、今シーズンから、ロドルフォ・パリアルンガがクリエイティブ・ディレクターに就任した。マスキュリン&フェミニンを融合したスタイルは、これまでの「ジル・サンダー」を大きく逸脱することのない安定路線だ。ラフ・シモンズ就任の時のようなドラマティックな変化はないが、コレクション全体をボーイッシュに少し若返らせ、新しいスタートを切った。

 インスピレーションは、1930年代に活躍したスイスの写真家アンヌマリー・シュヴァルツェンバッハの作品。アンドロジナスな美の表現で知られるアンヌマリーのイメージは、メンズライクなアイテムをベースにスリット使いなどで女性らしさを加えるデザインに反映されている。「ジル・サンダー」を構成する定番アイテム群、すなわちシャツから始まり、テーラードジャケット、ひざ下丈のスカート、浅いVネックのセーター、メンズライクなスラックスなどに少しひねりを利かせて新しいアイテムとして提案している。

 中でもコットンシャツは、“ロドルフォ・スタイル”を完成させる重要なアイテム。背中を大きく開けてセクシーに、肩にボリュームを持たせて少し可愛らしく、ウエストにシャーリングを施してより機能的になどアイデアを詰め込んだ。ユニークなのは、女性らしさと少年っぽさのバランスを絶妙に突くコーディネイト。ドレス感覚の丈の長いシャツはダブルギャバジンのラップスカートを重ねて、ちらりとシャツをのぞかせる。ローライズではくボーイッシュなハーフパンツが、コレクション全体にフレッシュな印象を与える。今回は少なかった、ドレスとコートの提案力に期待したい。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

東京デザイナーがさらけだす“ありのまま”【WWDJAPAN BEAUTY付録:「第7回 WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」結果発表】

3月25日発売号の「WWDJAPAN」は、2024-25年秋冬シーズンの「楽天ファッション・ウィーク東京(RAKUTEN FASHION WEEK TOKYO以下、東コレ)」特集です。3月11日〜16日の6日間で、全43ブランドが参加しました。今季のハイライトの1つは、今まで以上にウィメンズブランドが、ジェンダーの固定観念を吹っ切ったことでした。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。