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ユナイテッドアローズ23年3月期、収益改善に手応え コロナ禍前水準には未達

ユナイテッドアローズの2023年3月期連結業績は、売上高が前期比9.9%増の1301億円、営業利益が同278.0%増の63億円、純利益が同492.6%増の43億円となり、2月に上方修正していた値を上回った。コロナ禍以降、不採算店の撤退やプロパー販売強化といった収益改善を進めてきた成果だが、コロナ禍前水準までにはまだ回復していない。

コロナ禍前の20年3月期と比較すると、売上高は6.6%減、営業利益は同27.4%減。23年3月期末の店舗数は298店で同17.0%減となっている。24年3月期連結業績は、売上高が前期比6.3%増の1383億円、営業利益が同10.0%増の70億円、純利益が同11.2%増の48億円を想定する。

24年3月期を初年度とする中期経営計画では、OMOの推進、手薄である20代向けの新ブランド開発やウエルネス分野などアパレル派生型ブランドの強化、中国本土進出によるグローバルビジネス拡大などを戦略として据える。OMO強化としては23年秋を目処にハウスカードプログラムを刷新、来期には自社ECアプリを再開発してローンチ予定。中計最終年度である26年3月期は、連結売上高1600〜1700億円、営業利益90億〜100億円と、コロナ禍前を超える過去最高水準を目指す。

人材採用難を受け、アパレル業界でも賃上げや新卒社員の初任給を引き上げる企業が複数出ているが、「ありがたいことに新卒採用では採用予定数に対して20倍以上の応募をいただいている。今年度はまず、新卒社員(の初任給引き上げ)よりも既存社員への還元を優先すべきと判断した」と松崎善則社長執行役員CEO。社員一律の基本給引き上げは行わず、23年3月期末で決算賞与を「従来の支給上限規定を超えて」支払うと共に、「昇給・昇格者の割合を今年度は従来よりも高める」。

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