ビューティ

Vol.28 「ディオール」の名品“マキシマイザー”が初刷新で大バズり【SNSトレンドに、業界は「どうする」?】

有料会員限定記事

 「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、初刷新についてバズが止まない、「ディオール(DIOR)」の人気リップ“ディオール アディクト リップ マキシマイザー”に関するお話。

「ディオール」の“リップ マキシマイザー”が16年目で初の処方リニューアル ケア&ふっくら効果がアップして24色で登場

> 「ディオール」の“リップ マキシマイザー”が16年目で初の処方リニューアル ケア&ふっくら効果がアップして24色で登場

ソーシャルエディター浅野:「ディオール」の人気リップ“ディオール アディクト リップ マキシマイザー”が発売から16年目で初めてリニューアルし、話題を集めています。ミントのクールな使用感と唇をふっくら滑らかに整えてくれるプランプ&ケア効果が特徴ですが、今回のリニューアルでは使用感はそのままに90%自然由来成分の処方に変更。さらに、注目すべきはカラーバリエーションを全24色と大幅に増やしたことです。既存のシアーな発色のものから、リキッドルージュのような高発色の“インテンス”やグリッターが華やかな“ホログラフィック”など、リップ美容液からメイクアイテムにまで幅を広げた印象です。

もちろん、SNSでも大きな話題になりました。“杏仁ミルクティー”や“粘膜ピンク”など独自の通称で呼ばれる人気カラーが生まれたり、既存色とリニューアル後の新色を照らし合わせる美容界隈ではおなじみの“特定班”も出動。全色をパーソナルカラー別に分けて色選びを提案する人がいたり、先行発売のタイミングで全色購入してレビューする猛者もいたりです。リップはリニューアルや製品入れ替えのサイクルも早い中、人気を維持し続けている“マキシマイザー”の底力を見た気がします。

「WWDBEAUTY 2022下半期ベストコスメ」 リップ部門1位は「アディクション」「オペラ」「メイベリン ニューヨーク」など

> 「WWDBEAUTY 2022下半期ベストコスメ」 リップ部門1位は「アディクション」「オペラ」「メイベリン ニューヨーク」など

記者村上:“マキシマイザー”は発売当初「こんなの、売れないよ」という厳しい意見が相次いだ製品としても有名ですね(笑)。ベスコスの定番となった今とは隔世の感があるけれど、きっと16年前は「グロスより色がつかないリップアイテムなんて、必要なの?」とか「だったら、もっと手頃なバームで良くない?」なんて意見が相次いだのではないか?と想像します。きっと最初の数年は鳴かず飛ばずだったので、15年間も“そのまんま”だったんじゃないか?なんて邪推してしまうほどです。どうでしょう?

とはいえ、この製品、今ならヒットの理由がわかりますよね。まずはマスク時代のリップアイテムとしてピッタリ。ケアアイテムでありながら、マスクにはつかない程度の色が手に入ります。そして、グロッシーな発色と、ほんのり刺激を覚えるくらいの使用感で“効果実感”が高い!「おぉ〜、私のリップが、ちょっと鮮やかに膨らんだかも!?」という実感は、私も感じるところです。

パーソナライズの刻印とか、期間限定の専用限定ケースとか、プロモーションも上手いんですよね。「ディオール」のコスメの中ではエントリーアイテムだから、ファンの裾野を大いに拡大した印象があります。浅野さんは人気の理由をどう分析していますか?

「ディオール」の人気No.1リップが新色とグリッターエフェクトでパワーアップ

> 「ディオール」の人気No.1リップが新色とグリッターエフェクトでパワーアップ

浅野:2019年に一度カラーバリエーションを増やしましたが、それまで定番は1色だったのも驚きです。今でこそ類似の製品は数多く販売されていますが、あの“ぴりぴり感”ってかなり攻めた処方ですよね。“マキシマイザー”って、デパートコスメのエントリーアイテムでもあると思うんです。私もコスメにハマった10代の頃、「アットコスメ」の口コミを見て百貨店の店舗にドキドキしながら買いに行きました。10代で高価なデパートコスメデビューするとき、いきなり真っ赤なリップを選ぶ人ってあんまりいないと思います。だから「ディオール」らしい高級感があり、メイク初心者でも使いやすい色味と使用感の“マキシマイザー”は、デビューにピッタリなんです。カラーもかなりシアーで使う人を選ばないので、ギフト需要も高いと聞きます。女子が使ったことのあるデパコスリップ1位といっても過言じゃないかもしれません(笑)。美容液、グロス、ナチュラルメイク、下地と、1本あると何にでも使えるマルチユースな点も人気の理由ですね。

若い世代にとっては「憧れのリップ」だし、大人世代には「定番の名品」。ここまで幅広い長年の愛用者を抱えているリップって、なかなかないですよね。

村上:幅広い客層を捉える万能のエントリーアイテムだからこそ、店頭での接客は大変だと思うんです。正直、これ1本の接客に全身全霊を注いでしまっては、美容部員さんの体はいくつあっても足りないでしょうから。でも、万人ウケするのデパコス界のデビューアイテムだからこそ、美容部員さんには是非是非、その楽しさまで伝えてほしいですね。

>「ルイ・ヴィトン」から“LVサークル”モチーフのファッションジュエリー

“懐かしのヘアピン”再び! ロンドンコレで大流行中

> “懐かしのヘアピン”再び! ロンドンコレで大流行中

ファッションの世界では、バッグや財布に代表されるSLG(スモール・レザー・グッズ)が長らくエントリーアイテムでしたが、ラグジュアリーブランドだとバッグは30万円台〜、SLGでも10万円越えが珍しくなくなりました。だからこそ最近は、ファッションジュエリー(3万〜7万円くらい〜)、シュシュ(3万円程度)やカチューシャ、ヘアピン、メンズならキャップ(5万〜7万円程度)、ソックス(アンダー2万円)がエントリーアイテムとして機能しています。特にファッションジュエリーは、日本独自の売れ筋商品みたい。海外のラグジュアリーブランドのお客さまは、きっと本物のジュエリーを買うのでしょう(羨)!でも、“マキシマイザー”みたいにマルチユースなアイテムって、ファッションの世界では少ないですね(笑)。

次回は、次世代SNSの登場?「ボンディー(Bondee)」の可能性について語ります。

村上 要 「WWDJAPAN」編集長 / 浅野 ひかる ソーシャルエディター村上 要 「WWDJAPAN」編集長 / 浅野 ひかる ソーシャルエディター

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

サステナビリティ特集 ファッションの売り場から始める実践例26【WWDBEAUTY付録:Z世代と考える化粧品業界のサステナビリティ】

「WWDJAPAN」5月29日号の特集は、「売り場から始めるサステナビリティ実践例26」です。サステナビリティ×ファッションの話題は素材開発から店頭へと移りつつあります。本特集ではその事例を多数紹介。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。