ファッション

「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン」2016-17年秋冬パリ・メンズ・コレクション

REPORT

ガジェット系男子に捧ぐ未来の洋服はソーラーパネルが必須!?

ファーストルックは、スマホやタブレットがピッタリ収まりそうなガーメントポケットが散りばめられたブレザーのセットアップ。次いで登場したバルカラーコートのクリアポケットからは、電子ケーブルがのぞく。ルックを追うごとに徐々に大きくなり存在感を増したそのポケットの中に入っていたのは、太陽光で発電するソーラーパネルだった。渡辺淳弥は、ガジェットが欠かせない今のライフスタイルに則した未来の洋服を、ユニークな発想で遊び心たっぷりに作り上げている。

未来の「ジュンヤ」流トラッド、ワーク、カントリースタイルには、“自己発電”できることに加え快適性が不可欠のようだ。セットアップやアウターは、ほとんどがネオプレンなどの軽量なムース素材。ナッパレザーやフランネルウール風のマテリアルも、ハイテク素材のふわふわしたフェイクアイテムだ。英国クラシックを強めるガンクラブチェックやオンブレーチェックの模様は、プリントで表現。得意のデニムでさえ、時折ムース素材にプリントして仕立てている。バギーフレアのスラックスが滑らかなドレープを描き、エフォートレスを強調した。

恒例のパッチワークシリーズとしてシャツに異素材で描かれたブロック模様は、電子回路をグラフィックに落とし込んだもの。巨大な太陽光パネルを貼り付けたバッグパックも抜群のインパクトを放っている。体を優しく包む、モコモコのビッグマフラーやアビエイター帽子も欠かさない。現実離れした近未来のユニフォームに逸脱することは決してなく、電源がないと生活できない今の私たちに寄り添う、ウィットに富んだリラックスワードローブを完成させた。

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