ファッション

ロックとオタクが融合したら? 「テンダーパーソン」22-23年秋冬はアダルトアニメとコラボ

 「テンダーパーソン(TENDER PERSON)」は、2022-23年秋冬コレクションを東京・青山の青山セントグレース大聖堂で発表した。リアルショーの開催は2回目。

 今シーズンのテーマは、ザ・ビートルズ(The Beatles)の代表曲で、米のジャズシンガー、ニーナ・シモン(Nina Simone)のアルバムタイトルでもある“Here Comes The Sun”。21年春夏から3シーズン継続するキーワード“アンビバレンス バランス(真逆の感情を同時に抱くこと)”を、今季は“ロックカルチャーとオタクカルチャー”と捉え、それぞれの相反する要素を融合した。

 ゆるやかなサイジングのボンテージパンツは、パッチワーク風のキルティングジャケットを合わせてポップなスタイルに。大胆なグラフィ?ティーを配したスエットパンツは、シャーリングで遊んだアシンメトリーなシャツとのアンバランス感を提案した。ブランドを象徴するファイアーモチーフやフレアシルエット、クロシェなどのディテールもコレクションの随所に落とし込んだ。

 1998年に梅津泰臣監督が発表したアダルトアニメ「ア カイト(A KITE)」とのコラボアイテムも登場した。ブランドとリンクする炎が描かれたたオリジナル作品を、パンツやシャツ、Tシャツなどにプリントした。同作がアパレルブランドとコラボレーションするのは初めて。「テンダーパーソン」は先シーズンからパリを見据えてコレクション発表の時期を早めており、「世界に向けて発信を強化したい」というビジョンが梅津監督と合致し、コラボが実現したという。

 ジャケットにコートを羽織ったり、カーディガンをダブルで重ねたりと、カルチャーミックスの過剰なレイヤリングもブランドの特徴として定着しつつある。デザイナーのヤシゲユウトとビアンカは、「(重量としての)“重さ”を意識した服作りをしているが、快適性が求められる今の時代とは逆行しているかもしれない。でも、(重量による)“着ている感”から、ファッション特有の高揚感と新しさを感じてもらえたら」と語る。

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