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「K-POPのようにグローバルで育てる」 第一弾は本田仁美コスメ、日韓共同ビューティプロジェクト「ベイズ」を直撃

 アジアトレンドを軸としたD2C事業を行うクージー(COOGEE、本社:東京都)と韓国の美容企業オリーブインターナショナル(OLIVE INTERNATIONAL、本社:韓国ソウル市)が包括的業務提携を結び、日韓共同ビューティプロジェクト「ベイズ(BAYS)」を立ち上げる。10月6日にローンチする第一弾ブランド「ノートーン(NOTONE)」は、その第一弾製品をIZ*ONE出身のAKB48本田仁美がプロデュースすることも発表された。

 「ベイズ」は“日韓2つの港を結ぶ”という意味で名付けられ、日韓の強みを生かし、クリエイターを軸としたコスメブランドの立ち上げを行う。日韓での販売を目標とし、その先にはアジア展開、グローバル展開を見据える。ブランドはまず日本で先行して展開し、1ブランドあたり年間3億円の売り上げを目指す。

 オリーブインターナショナルはコスメやインナービューティ、ライフスタイル雑貨の企画マーケティング、販売を行う美容企業だ。製造は製品ごと、容器ごとに適したOEMを選び、高品質な商品にも定評がある。クージーが日本展開を手掛ける韓国コスメ「ミルクタッチ(MILK TOUCH)」も、オリーブインターナショナルが立ち上げたインフルエンサーブランドだ。

 一方、クージーは三上悠亜など日本のインフルエンサーを起用したアパレルブランドの運営や、南りほやヒョク、カン・テリ、ホン・ヨンギらクリエイター、インフルエンサーのマネジメントを行う。「ベイズ」ではクージーが中心となってクリエイターの発掘を行い、オリーブインターナショナルの持つ商品製造やマーケティングノウハウを用いて、ブランドとして発展させる。

 両社の共通する強みが、人軸のブランド作りや発信だ。オリーブインターナショナルのイ・ジンホ代表は「消費者の様々なニーズが集約されているのがSNSだと考えている。そのニーズに合うSNSのクリエイターを見つけて、ブランドを立ち上げる」と語る。消費者のニーズはクリエイターを通じてすくい上げ、クリエイターの個性と合わせてブランドに発展させる。「ミルクタッチ」ではプロデューサーのホン・ヨンギが、消費者ニーズとトレンドを反映させている。

“K-POPのグローバル化”が手本

 両社の出合いは、ホン・ヨンギの日本マネジメントをしていたクージーが「ミルクタッチ」の日本展開に名乗りを上げたことから始まる。イ代表は「協業期間は長くないが、とても信頼している。ビジネスの関係では裏切られることもあるし、不誠実な対応をされることもある。しかしクージーはそういった素振りがなく、価値観や仕事のやり方も共感できる。一緒に仕事をすれば、日韓だけでなくアジア、グローバルを目指していけると考えた」と熱く話す。最初に信頼を獲得したのは、初対面での商談だった。鈴木社長いわく「化粧品は扱ったことがなかったので、正直に『美容業界のことは分からないが、ヨンギが好きだから、彼女のブランドは当社でやりたい』と気持ちを伝えた」と振り返る。イ代表はその熱意に動かされた。

 熱意の次は、実績で信頼を積み重ねた。元々クージーがインフルエンサーやSNSを起用した情報発信に長けていたこともあり、「ミルクタッチ」は2019年11月の日本上陸から1年半で、3億円を売り上げるまでに成長。韓国では知名度の高いホン・ヨンギの影響力で広まったブランドだが、日本ではブランドとして力をつけるため製品力を押し出したのも好影響だった。

 今回の協業はこうした信頼関係に加え、グローバルを目指す両社の思いが形になった。イ代表は「日韓ともにインフルエンサーの影響力が強いが、今後はさらに可能性があると考えている」と話す。世界各地には同じような感性を持つフォロワー層がおり、既に多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーでも、そうした人たちにアプローチしていくことで、より大きな影響力を持つことができるとイ代表は考えている。

 「このプロジェクトのように、クリエイターやインフルエンサーを起用したブランドは、K-POPのようにグローバルで育てたいと思っている」とイ代表。K-POPは今や世界を熱狂させており、BTSや BLACKPINKのビルボードチャート1位獲得をはじめ、名だたるラグジュアリーブランドの広告起用や世界的アーティストとのコラボなど、影響を拡大し続けている。

 鈴木社長はこうしたK-POPのグローバル化を「K-POPはローカライズしており、世界各地のテレビに出演していることもグローバルで売れた大きな要因だ」と分析する。「化粧品もただ輸出するだけでは売れない。オリーブインターナショナルはクリエイターの力だけに頼らず、届けることが上手な企業だ。そうした両社のマーケティング力を武器に、販売先の地域でも露出を行いたい」。

 鈴木社長は「アジアに出ていく上で日本ブランドはアウェーな存在。K-POPグループで日本人が活躍するように、日韓まぜこぜのブランドが作れたら」と展望を語った。