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「マルニ」の独立独歩のブランド運営術

私は自分の直感を信用している。皆わが道を行くべきよ

 「マルニ(MARNI)」のクリエイティブ・ディレクター、コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)は「わが道を行く」人だ。その歩みの独自のリズムは、20年以上前に「マルニ」を立ち上げた時に、彼女がマスターしたものだ。他ブランドのデザイナーが入れ代わり立ち代わりする中、そして、ファッション業界が「今見て、今買う」コレクションというアイデアに取り組む中、カスティリオーニが生み出してきたシーズンレスのファッションは、多くの同業者たちが今こぞって採用し始めたトレンドの格好の例となっている。

「マルニ」を着ている人をみると、今でも感激する

 コンスエロ・カスティリオーニ「マルニ」クリエイティブ・ディレクターは、はにかむようにニコッとしながら、「自分がデザインしたものを身に着けている人を見かけるたびに、今でも感激して、うれしさとプライドで身震いしてしまうの」と控えめな口調で明かした。「『マルニ』のファンだろうとなかろうと、一度うちの服を買った人は、必ず戻ってきてくれるわ。それは多分、シーズンレスだからどの服も捨てることなく手元に置いておいて、また身に着けることができるからでしょうね」と、「マルニ」というブランドの“持久力”について穏やかに語った。

 ミラノの中心部に位置する彼女が家族と住むアパートメントは、カラフルで温かみがあり、日本人の友人から贈られた村上隆のアートが飾られている。アパートメントの室内装飾は「直感に従って」やるという彼女は、同じ言葉を、自身のクリエイションを言い表すときにも使った。「私は椅子に座って精密な地図を描きだすようにコレクションを作るわけじゃないの」。自身の直感について、「ちょうどその時に好きなもの」と言い切る。採算面を考えて、その直感がぶれることはないという。彼女と話していると、控えめな物腰の中に、気骨さと独立心が確かに宿っていることが感じ取れる。「不本意ではあるけれど、マーチャンダイジングについてはちゃんと耳を傾けるわ。ただし、“ある程度”ね。コマーシャル部門の言うがままになっていたら、コレクションが陳腐でありふれたものになってしまう。私は市場から、そして店舗からの需要については理論的に聞くわ。でも、皆わが道を行くべきなのよ」。