2000年、新宿南口に1号店をオープンした「J.S.バーガーズ カフェ」。現在も常に客足が絶えない人気店だ
ライフスタイル提案の一環や新しい収益源として、飲食事業を手掛けるファッション企業が増えている。最近ではジュンやマッシュホールディングスが積極的で、アダストリアもM&Aも含めてカフェ事業への本格参入に向けて準備を進めている。中でも動きが活発なのがベイクルーズグループだ。2000年、新宿駅南口のジャーナルスタンダード3階にオープンした「J.S.バーガーズ カフェ」を皮切りに事業を拡大し、現在はオリジナル9業態、ライセンス9業態の18業態・55店舗を展開する。15年8月期の売り上げは45億円で、今期は70億円を予想。18年8月期には100億円突破を目指す。
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野田晋作ベイクルーズ取締役 PROFILE:1976年2月29日、東京都生まれ。高校を卒業後、大阪の料亭で約半年の修業を経験し、文化服装学院ディスプレイデザイン科進学。同卒業後「エディフィス」のアルバイトとしてベイクルーズに入社し、24歳でPRに抜擢される。 PRやクリエイティブ部門の統括責任者を経て、2014年9月から現職
WWDジャパン(以下、WWD):飲食事業に参入した理由は?
野田晋作ベイクルーズ取締役(以下、野田):2000年に、新宿南口に「ジャーナルスタンダード」の路面店を開く際、バイヤー陣から「ブランドの世界観を表現する要素の一つとして飲食をやりたい」という提案があったことが始まりで、当時まだ珍しかったアメリカンダイナーをイメージした店内でハンバーガーを売った。ブランドのイメージを多面的に表現でき、今でも客足が途切れない人気店になった。その後、自由が丘にウィメンズ店舗を出す際、女性向けのスピンオフ業態として「J.S.パンケーキ カフェ」を開発。この業態を作ったことでSCからのオファーも増え、出店を加速した。
カリフォルニアのレストランを誘致し、昨年二子玉川にオープンした「ファームショップ」。アメリカから取り寄せた資材などを使用した、リラックスムードただよう内装も見どころ
WWD:ライセンス業態など、事業多角化の理由は?
野田:何事もやってみなければわからないため、多業態化は「種まき」のようなものだと考えている。何がうまくいくか、どうしたらよくなるか、常に悪戦苦闘している。初のライセンス業態は、「ゴントランシェリエ 東京」で、当時パリに1店舗しかないパン屋の才能に懸けて誘致した。現在ライセンスでは9業態を運営しているが、本国と密に意見を交わしながら、日本市場に合うやり方を模索できている。
WWD:飲食業界に参入する上で、ファッション企業としての強みはあるか?
野田:飲食業でおいしいものを提供するのは当たり前で、差別化のためには“そこで食べる意味や価値”を提供する必要がある。服も食も付加価値を売る事業だし、食におけるファッション性は今や重要なキーワード。材料やサービス、仕組みなど学ぶべきことはあるが、優位性はある。また、店の什器やユニホームを自社の業態や生産背景で賄えるなど、感度以外の面でもアドバンテージは大きいと考えている。
今年4月、表参道の「フランツ&エヴァンス ロンドン」2階に開店した「しゃぶしゃぶ 山笑ふ」は、厳選された食材のしゃぶしゃぶを一人用の鍋で楽しむことができる
WWD:現在好調な業態と、今後の課題は?
野田:好調な業態は、NY発のロブスターロール店「ルークス」や、ロンドン発の「フランツ&エヴァンス ロンドン」、パリヤと協業した「シティショップ」といったデリカフェ業態だ。対して今後の課題は、昨年にカリフォルニアから誘致した二子玉川の「ファームショップ」や、「しゃぶしゃぶ 山笑ふ」「ボン グー ハンバーグ」などに対する認知度やサービスの向上。「しゃぶしゃぶ 山笑ふ」などは職人の仕事が必要な業態だが、今後出店拡大を目指していきたい。