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息苦しさ&臭い問題解消に!いま注目すべき「マスク用アロマ」

先日「香り」をテーマにした企画を担当する機会があり、少々驚いたことがある。ルームフレグランスや新作のハンドケアなど、見た目もおしゃれな香りのアイテムが並ぶ中で、最も読まれた記事は何かというと……? 意外にも「マスクに使うアロマ」だった。「えっ、地味なのにコレ!?」と驚く一方で、「やはりそうか」とふに落ちた面もある。なぜなら、マスクの着用は、本来目に見えない呼吸を「見える化」したから。そしてここに、切実な「香りのニーズ」が発生したように思う。

目に見えない呼吸を
「見える化」したマスク

普通に生活している限り、呼吸を意識することはほとんどないはずだ。しかしマスクの着用により、嫌でも意識せざるを得ない場面が増えている。理由の一つは「息苦しさ」、そしてもう一つは「マスク内の不快な臭い」によって、である。

この不快な臭いの原因となる口臭には、口内環境やホルモンバランス、そしてストレスによる唾液の減少が関与している。そのため、これまでは若年層よりも、一定の年齢を経た大人の方が、意識することが多かったのではないか。さらに口臭は、そもそも他者を不快にする存在であって、自身では気付かないケースもある。

ところがマスク着用によって、事情は一変する。なにせ不快なのは自分自身なわけで、とたんに「自分ごと」の問題になるからだ。年齢や性別に関係なく、会社に出勤したり学校に通ったりしている人は昼食を取るだろうし、飲み物も口にするはず。生活のスタイル上「1日中マスク内は爽快な空気」という方は、ほとんどいないのではないかと思う。

「息苦しさ」という、
生理的に無視できない問題

加えて、これから夏にかけてはマスク着用による「息苦しさ」も増していく。近年の猛暑は何もしなくても息苦しさを感じるほどだが、鼻と口がすっぽり覆われている状態だと、普通に会話をすることすら、ストレスに感じてしまう。これも年齢性別を問わず直面する自分ごとの問題であり、特に呼吸は生命活動の要でもあるから「楽になるなら、少しでも楽になりたい」と思うのは当然のことだ。

「年齢・性別に関係なく」「四六時中向き合う」「自分ごとの問題」、これこそがマスク用アロマが注目される理由だと思う。今回ちょっと調べてみたら、抗菌および消臭を目的とした「マスク用スプレー」で、ウェブのまとめページが存在するほど、製品が豊富であって驚いた。この初夏にマンダムや資生堂など大手メーカーから新製品が登場するにあたり、現在進行形のニーズの高さがうかがえる。

「精油」を用いたマスク用アロマが注目される理由

前述のマスク用スプレーは、新型コロナウイルス流行の初期段階では、抗菌効果に軸足を置いたものが目立った。もちろん現在も抗菌・消臭成分を配合しているものがほとんどである。そんな中で、個人的な感覚ではあるけれど「使い続けたい」と思ったものは、天然の抗菌・清涼効果を持つ「精油」を用いたマスク用スプレーおよび、「香りの効果」をプラスしたマスク用アロマだった。

これはやはり、マスクが「鼻と口の周囲を覆うもの」という側面が大きいと思う。抗菌効果も大切だけれど、口の近くに使用するだけに、天然精油の方が消費者としては安心だ。そして、人工香料ではなく、自然の息吹を感じる精油の香りには、理屈抜きの心地良さを感じるからだ。ただでさえストレスフルなマスク着用生活の中で、豊かな自然の中で深呼吸するような、リフレッシュ感をもたらしてくれる。感覚的な話ではあるけれど、嗅覚は脳とダイレクトにつながっている以上、重要なポイントであると思う。
というわけで、今回は実際使ってみた中で、マスク着用の息苦しさと不快感を解消する、精油を用いたマスク用アロマをセレクトしてみた。

ペタッと貼るだけ。
ユニークなマスク用アロマ

「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」の“マスク用アロマシール”は、ほかにはない斬新な発想のアイテムだ。マスクにペタッと貼るだけで、ユーカリ、ペパーミント、シトラスの精油が、マスク内の空気を一新してくれる。手軽で使いやすく、赤いサークルのシールがマスクのワンポイントになるのも魅力の一つ。ハーブが奏でる香りは呼吸を楽にすると同時に、リフレッシュ感をもたらす効果も。最長約6時間と、香りの持続性に優れているのも特徴だ。

コロナ禍で売り上げが伸張、ミントのリフレッシュアイテム

2009年に登場した素数の「ノーズミント(NOSEMINT)」は、世界各国で累計販売数5億本を突破したロングセラー。本来はミントの香りを嗅いで、仕事中の眠気を覚ましたり、花粉の季節に鼻を通したりするための製品だが、コロナ禍以降に注目度が急上昇したという。マスクに数滴つけることで、ペパーミント、ユーカリ、ラベンダーの香りがマスク内の空気を爽快に保つこと、さらに天然油の抗菌効果が支持され、シリーズ累計販売数がなんと前年比333%に伸張。手頃な価格帯で、購入しやすい点も人気の理由だ。

天然精油の力で、手指を消毒しつつマスク内を爽快に

「ボーテ デュ サエ(BEAUTE DE SAE)」の“ナチュラル パフュームド リフレッシュスプレーボタニカル”は、天然由来のエタノールを配合した手指用の消毒スプレー。マスクに一吹きすることで、気になる臭いを軽減するマスクスプレーとしても使用できる。古くから抗菌・清涼作用が知られるゼラニウム、オレンジ、ペパーミントの精油を配合し、穏やかな香調で顔周りにつけても心地良い香りを楽しめるはず。香りの持続性は短いけれど、持ち歩きに便利なサイズなので、生活のさまざまなシーンで取り入れやすい。

食事後にシュッ! オーガニックの
マウススプレー

たかくら新産業の「メイド オブ オーガニクス(MADE OF ORGANICS)」が8月15日に発売するのは、有機 JAS 認証を得た“ブレスリフレッシュスプレー”。オーガニックのキシリトールやマヌカハニーエキスなど、天然の殺菌・消臭成分を配合し、口臭の原因にアプローチ。オーガニック配合率96.8%であること、そしてレモン&ミントの爽やかなフレーバーで、口の中に使用するアイテムとして安心感がある。ランチの後や、マスク着用が長時間にわたる場合、シュッと一吹きして、口内および気分をリフレッシュしたい。

そもそも香りは(特に日本人の場合)化粧品カテゴリーの中で、必需品ではなく嗜好性が高いアイテムだと思う。コロナ禍で「おうち時間」が増えたことにより、香りへの注目度が高まったとは聞くけれど、これまで香水やルームフレグランスを全く使わなかった人にとって、香りは(あればQOLを上げるかもしれないけれど)「ないならないで、暮らしていける」存在であるはずだ。一方でマスク内の不快な臭いや息苦しさは、誰もが日々直面し、解消できるものなら解消したい優先順位の高い問題である。

ここに精油や香りの機能性がカチッとはまったことに、マスク用アロマの秀逸さがある。「目の前の問題を解消する」「手軽に使える」「比較的手に取りやすい価格」そして最終的に「香りの力でQOLを上げる」という意味で、本当によくできているなあと、改めて感心してしまう(個人的にも、一度使ったらあまりに快適で、手放せなくなってしまった)。

いつか遠くない日に「マスクを外す日」は必ずやってくる。一方で、日本人はコロナ禍の経験上、風邪や季節性インフルエンザが流行する季節になると、自発的にマスクを着用する人も多いのではないかと考えている。そういう意味で、一過性の流行ではなく、今後もマスク用アロマはシーズナルな需要があるのではないか。さらにもう一歩進んで、マスク用アロマのような「精油や香りが実際に役に立つ」新たな香りのアイテムが登場したらいいのに、と妄想してみたりする。肩こりを軽減したり、イライラを解消したりするロールオンの香りアイテムとか、気分をリフレッシュするアロマミストなど、フレグランスの枠にとらわれないアロマアイテムは、今の時代にきっと多くの人に支持されるはずだから。

宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

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