ファッション

「アンリアレイジ」の森永邦彦が老舗オンワードと組んだ理由

 デザイナーの森永邦彦が手掛ける「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とオンワード樫山の協業による、バッグとアクセサリー主軸のブランド「アンエバー(ANEVER)」がこのほど、オンワードグループの自社EC「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」で販売を開始した。

 「アンエバー」は一瞬(A NEVER)と永遠(AN EVER)を組み合わせた造語で、“対極の概念をつなぐ”の意。商品ラインアップでは、ドライフラワーを樹脂に閉じ込めたパーツをシグネチャーとしており、これらは「時間とともに枯れていく一瞬の花の命」を樹脂の中で「永遠に生かす」ことで、ブランドコンセプトを表現したものだ。

 販売している2021年春夏コレクションは、バッグ8型(5940円〜)とアクセサリー13型(2200〜7700円)で、「アンリアレイジ」の商品と比較すれば格段に手の届きやすい価格設定。ブランドがこれまで取り込んでこなかった層へリーチすることも狙いの一つだ。森永氏は協業に至ったきっかけについて、「これまで『アンリアレイジ』ではファッションが好きな方々に向けて尖ったデザインの、ある種の非日常的な服を作ってきた。より大衆向けのアイテムに価値を吹き込む仕事から学び取れることもあるはずだと考えた」と話す。「アンエバー」のパーツでは生花を用いるため、花の形や模様が一点一点それぞれ違い、リーズナブルながら全てがオンリーワンといえるアイテムだ。

 オンワードの大手アパレルならではの生産背景もメリットと捉えた。「コレクションシーンでは最新の発表作品が常に優先される。過去のものはすぐに忘れ去られてしまう。それらからエッセンスを抽出し、積み重ねていくことができる何かを作ることが『アンリアレイジ』に必要なことだと考えていた。その一つの形が別のブランドを作ることだったが、自分たちだけの力では限界がある中で、(オンワードの資本力が)とても魅力的だった」と振り返る。

 一方のオンワード側は、「アンエバー」にファッション感度の高い若者の取り込みを期待する。同社の会員システム「オンワードメンバーズ」は約360万人以上を抱える(2020年12月時点)が、主要顧客層は40代以上。「アンエバー」の春夏コレクションでは若者の認知度が高い女優の平手友梨奈を起用するなどプロモーションにも力を入れる。公式インスタアカウントのフォロワーは現在約3500人とブランドとしては小規模だが、その内訳は35歳以下が7割を占める。

 今回のように企業としてブランドと協業する事例は珍しい。これについて「アンエバー」の企画・生産を担当する不破一貴・第二カンパニー課長代理MDは「ブランドを通じて、オンワードという名前も若い方を中心により多くの人に認知していただきたいため。(『アンエバー』は)まだスタートしたばかりだが、お互いにメリットを享受しながらさまざまな化学変化を生み出していきたい」と話す。

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