ファッション

見直そう!販売員の長時間労働 アパレル業界に“働き方改革”のメス

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 アダストリアと静岡市の商業施設、新静岡セノバ(静鉄プロパティマネジメント)は5月1日、販売員のワークライフバランス向上やそれによる人手不足解消を目指し、独自の働き方改革を開始する。長時間労働や休みの取りづらさなどを理由とした販売員の高い離職率、採用難は、コロナ禍以前から業界の課題となっている。アダストリアの福田三千男会長兼社長に、働き方改革の背景を聞いた。(この記事はWWDジャパン2021年3月22日号からの抜粋です)

 アパレル業界の人材不足は深刻だ。ここ10年、各地に大型商業施設ができるたびに販売員の採用難が叫ばれてきた。自動車関連産業に人手が流れる愛知県など、東海地方が特に厳しいと言われている。背景にあるのは商業施設の飽和。現在、日本には3200のショッピングセンター(SC)があり、テナント数は16万~17万にのぼると言われている。

 2000年に大型商業施設の出店を規制する大規模小売店舗法(大店法)が廃止され、以降は各地に次々とSCができた。アダストリアもそれに合わせ、「ローリーズファーム(LOWRY’S FARM)」「レイジブルー(RAGE BLUE)」などを続々出店。出店増により、04~10年は毎年売上高を100億円伸ばしている。そのころは「新卒採用サイトに1万人が登録し、3000人応募してくることもあった」と福田会長は振り返る。

 潮目が変わったのは08年のリーマンショックだ。「徐々に市場が飽和し、施設同士の競争が激化する中でSCの営業時間は伸び、休館日もなくなってセールが増えた。テナントはセールをやればやるだけ利益が下がり、在庫も増える」。販売員の離職率は上昇し、「入社数年で半数近くが辞める時期もあった」という。

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