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「大きな主語」にご用心!! エディターズレター(2021年2月8日配信分)

※この記事は2021年02月08日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「大きな主語」にご用心!!

 とあるオリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長が糾弾されていますね(嘆)。先週は、最初に「世論」、その次が「女性」。典型的な「オーバー・ジェネラライゼーション」、日本語で言うところの「過度な一般化」で、それこそ「世論」と「女性」から大バッシングです。

 「過度な一般化」は、油断すると私たちも陥ってしまいます。例えば「あの会社との取引は、マジでエグい」みたいなフレーズは、もうすでに「過度な一般化」の危険性アリ。もちろん本当にエグい場合もあるかと思いますが(笑)、数回の「エグい取引」を経験しただけで、もしくは数人の「エグい取引相手」と出会っただけで、「会社がエグい」と言ってしまうのは「過度な一般化」です。

 これを防ぐには、どうしたら良いのでしょう?ニューヨークでファッションを学んでいた時、「主語が大きくなるときは、気をつけなさい」と教えてもらったことがあります。さすがは、ニューヨークです。話を前の段落に戻してみましょう。「あの会社との取引は、エグい」の主語「あの会社の取引」は、「あの会社との、あの取引は、エグい」や「あの会社の、あの相手との取引は、エグい」の主語よりも確かに大きく、広くなっています。「大きな主語」には、「過度な一般化」の危険性アリ!!そう考えると、某会長のお話の主語は「世論」と「女性」。デカい、デカすぎます。

 業界にも、大きな主語ってたくさんありますよね。私もついつい「Z世代」とか使っちゃうし、前回も「Z世代は、ウェブメディアも見てくれない!」みたいなお手紙を綴りましたが、もちろんウェブメディアを見てくれるZ世代もいるワケです。Clubhouseでのおしゃべりでも「Z世代は多種多様。私たち以上に多種多様」と学びました。あ、「私たち」も結構大きな主語ですね……(苦笑)。

 話を強引にファッション&ビューティに近づけますと、ことビューティ業界ではパーソナライゼーションを模索する動きがあります。もちろん理想は、「一人ひとりの肌にあう製品を」なワケですが、そうすると世界で70億のブランドが必要になってしまいます。いくら大手でも、そんなコトはできません。70億人をある程度グルーピング&一般化して、ニーズを見出して製品を届ける必要があります。

 私たちは、70億人をどこまでグルーピングして良いのか?どこまで「大きな主語」で70億人を語って良いのか?森会長(あ、言っちゃったw)の失言で、こんなコトを考えました。

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