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ファーフェッチがサステナビリティの野心的な目標を設定 2030年までに二次流通を主力に

 ラグジュアリーECのファーフェッチ(FARFETCH)はビジネスモデルを再考し、2030年に向けてサステナビリティにおける野心的な目標を設定した。循環性(サーキュラリティー)、インクルージョン、環境や社会に配慮した商品、カーボンニュートラルを柱に自社のビジネスに変革をもたらすとともに、ブランドやブティック、デパートといった幅広いパートナーのネットワークに影響を与え、同様の取り組みを求めることを目指す。 
 
 ロックダウン期間中の大幅な成長を踏まえ、ファーフェッチは野心的な目標を実行に移すことができる立場になったと考えているという。同社の目標実現を監督する環境・社会・ガバナンス委員会の一員でもあるジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)創業者兼会長兼最高経営責任者(CEO)は、「明確な長期的目標を持つ信頼性が高くきめ細かな環境的及び社会的計画は、全てのステークホルダーにとって重要なものだ。投資家にとっては経営陣に対する評価の鍵となる部分であり、ビジネスパートナーにとっては私たちが提供するサービスの一部。そして、顧客は私たちがアクションを起こす姿を見たいと思っているし、従業員も同様だ」と話す。
 
 現在、同社が直面している重要な課題の一つは、世界中の販売業者からの配送・返品に伴う大量の温室効果ガス排出だ。すでにカーボンオフセット配送やより効率的な包装、再生可能エネルギーの使用などに取り組んでいるが、30年までに温室効果ガス排出量のネット・ゼロ(実質ゼロ)達成を目指す。そのため、より幅広いパートナーネットワークへのカーボンフットプリント削減の支援、カーボンオフセットプログラムの拡大、オフィスでの100%再生可能エネルギーへの移行に取り組む。
 
 また、ハンドバッグのリセールや寄付、ビンテージアイテムや古着の販売といった循環型事業の売り上げが、これまでの主力であった一次流通の販売額を10年以内に上回ることを掲げる。これは、同社の環境フットプリント削減にも貢献することにもなる。さらに30年までには、ファーフェッチだけでなくセレクトショップのブラウンズ(BROWNS)、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)などを擁するニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP)、スニーカーのリセールストアであるスタジアムグッズ(STADIUM GOODS)を含む傘下企業全てで取り扱うアイテムは、一次流通・二次流通を問わず環境や社会に配慮したもののみへと移行。具体的には、製品がリサイクルやアップサイクルされているか、オーガニックもしくはフェアトレード素材が使用されていることが必要になる。
 
 ダイバーシティーとインクルージョンに関しては、“反差別的な文化”を組織内に根付かせるとともに、マイノリティーのバックグラウンドを持つブランドパートナーへのより多くのビジネス支援と露出の提供を約束しているという。そして、説明責任を果たすため、その進捗状況を追跡し透明性を確保する“データフレームワーク”の公表を21年からスタートする。「ダイバーシティーとインクルージョンへの取り組みを始めたのは少し前のことで、まだまだやるべきことがある」とネヴェス創業者兼会長兼CEO。そして、「サステナビリティは、店舗をベースとした経営のデジタル化に伴い、オフラインとオンラインの境界がなくなりつつある“新たなラグジュアリーリテール”への進化の土台となるものだ。私たちは、配送、効率的なサプライチェーン管理、マーケティング、商品のマーチャンダイジング、顧客エンゲージメント、そして革新的な新サービスの提供などの分野にサステナビリティを組み込むことで、パートナーが彼らの顧客体験を向上させることができるようにしていく」と話す。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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