“コーディガン”は一過性のトレンドではなく、冬の実用品として定着する気配
「クルチアーニ（CRUCIANI）」の展示会でコートとカーディガンの間くらいのアウターが多く見つかったので、イタリア人PRの方に「日本ではこういうのを“コーディガン”と呼ぶのよ」と話したら、真面目な表情から一転、大笑いしながら「それ聞くの2回目！コーディガン、おもしろ〜い！！」と手を叩いていました。日本人の造語力、すごいです。きっと来シーズンあたりはイタリアのファッション界でも“コーディガン”が使われているハズです（笑）。
「クルチアーニ」の展示会
展示会場で“コーディガン”という言葉が思わず口をついたのは、出張前に昨秋冬の売れ筋まとめの校正をしており、「暖冬のためコートが不振も、コーディガンがヒット」というフレーズを何回も何回も読んだからです（多分80回位）。暖冬傾向にある今、この“コーディガン”という発想は、一過性のトレンドではなく、冬の実用品として定着していきそうです。そしてコーディガンのアイデアを突き詰めると着こなしの幅が広がり冬のファッションが楽しくなる、とも思います。
来年の秋冬はコートとボトムスのセットアップに注目
ミラノでショーを見ていても「来年の秋冬はどんなアウターが良さそうか」ということが、とても気になりました。いいな、と思ったのが、コートとボトムスのセットアップです。全体的にカジュアルからエレガンスへのシフトが進み、テーラード回帰の流れがあるのですが、課題はテーラードをいかに堅苦しくなく着るか。テーラードジャケットとタイトスカートでは窮屈です。ラペルがありつつも、ドロップショルダーだったり、ニット素材だったりと、どこかにユルさを残したテーラードが気になります。
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カジュアルで同時にラグジュアリー
「ボッテガ・ヴェネタ」2016-17年秋冬コレクション
中でも秀逸だったのが「ボッテガ・ヴェネタ（BOTTEGA VENETA）」でした。今季の「ボッテガ・ヴェネタ」はニットとチェックのバリエーションが豊富です。それ自体はカジュアルな素材であり、柄なのですがそこにクラフツマンシップを駆使した装飾や加工を施すことでラグジュアリーに仕上がっています。このルックなど、アウターですが部屋の中で着ていても全然OKですよね。
きちんと感を残しつつ、リラックスもできる。アウターとしてもインナーとしても楽しめる。カジュアルで同時にラグジュアリー。そのボーダレスな感覚は今の時代をとらえています。
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レザーやチェックで遊ぶ
「トッズ」2016-17年秋冬コレクション
「トッズ（TOD'S）」もスマッシュヒットでした。同じくチェックがたくさん登場しますが、こちらはレザーの扱いが長けているブランドだけに、レザーにレザーのステッチでチェックを描くなど手が込んでいます。レザー以外にこんなルックも。チェックもこのようにセットアップで着るとキチンと感も出ますね。
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テーラードを着るならドレスと合わせるのもおすすめ
「トラサルディ」2016-17年秋冬コレクション
きちんとテーラードを着るならドレスと合わせるのもおすすめです。「トラサルディ（TRUSSARDI）」のこのスタイルなどいかがですか？暖冬だからコートが売れないと嘆くばかりでは店頭はツラくなるばかりだし、着る側としてもツマラない。アパレルメーカーや店頭は、次の冬にアウターをいかに楽しむかを提案したいところです。
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コーデュロイのコートとパンツの組み合わせ
「アーサー アルベッセ」2016-17年秋冬ミラノ・コレクション
例えば、きれいな色のコーディロイのコートなどいかがでしょうか。コーデュロイの畝は中〜太でカジュアルに。こちらは「アーサー・アルベッセ」のきれいな色のコーデュロイのコートとパンツの組み合わせです。
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最後に、おまけ情報としてこちらの写真をご覧ください。
「アーサー アルベッセ」のフィナーレ
「アーサー アルベッセ（ARTHUR ARBESSER）」のフィナーレでデザイナーに大きな拍手を送っているアーサーのママ（赤い服の女性）と、息子の大切な一瞬を撮り逃すまいと必死に写真を撮るパパ（緑のジャケットの男性）の姿です。ママの表情を見るだけでこちらもホロリ。ショーの間中、「アーサーに似ているな」と気になっていたのですが、終わって声を掛けてみたらやはりご両親でした。「来てくれてありがとう」というパパの言葉にまたホロリ。家族愛です。
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