ビューティ

韓国のトップメイクが注目した日本の美容学生の「想像力と大胆さ」 3校が競った“Kビューティ”の表現力

「日本の美容学生は、想像力や大胆さが印象的でした」。そう評価したのは、韓国で人気のソン・ジュヒ(Son JooHee)=メイクアップアーティストだ。韓国のメイクアップサバイバル番組「ジャストメイクアップ」で準優勝を果たしたプロが、日本の美容学生たちのメイクを審査した。

その舞台は、10月23日に駐日韓国文化院で行われたイベント「Kビューティメイクアップショー(K-BEAUTY MAKEUP SHOW)」だ。資生堂美容技術専門学校、東京総合美容専門学校、織田ファッション専門学校の3校が参加し、「K-POPアイドルメイク」と「K-ヘリテージメイクアップ」の2つをテーマにメイクショーに挑んだ。

審査員を務めたのは、ソン氏と、日本で活躍するメイクアップアーティストのKAHO氏。技術力はもちろん、創造性や表現力にも視線が集まった。

制限時間は20分 “三校三様”のKビューティ

まずは「K-POPアイドルメイク」のメイクショー。ステージ上で一斉に動き始める学生たちのメイクブラシ。ベースメイクは事前に済ませてあるものの、仕上げまでの制限時間はわずか20分だ。モデル1人に対して学生2人がメイクを施し、それぞれが思い描くK-POPアイドル像を作り上げる。

ソン氏とKAHO氏もステージに上がり、メイクを間近で確認。アイラインの美しい線、肌の質感、全体のバランスまで、鋭い眼差しで仕上がりをチェックしていた。

資生堂美容技術専門学校が提案したのは、王道のアイドルメイクにとらわれない遊び心のあるルックだ。ブルーのアイシャドウと束感のある付けまつげを組み合わせ、下まつ毛にはブラックとブルーのマスカラを重ねた。さらにアイラインにもブルーを取り入れ、自由な色使いでY2Kを思わせるカラーメイクを表現した。

東京総合美容専門学校が描いたのは、力強い女性像を意味する“ガールクラッシュ”なアイドルメイク。チークを控えめにすることで、くっきりと引いたアイラインの存在感を引き立てた。特にこだわったのは、韓国メイクでも欠かせない隙のない美肌。厚塗り感を抑えながらも、シェーディングとハイライトでメリハリをつけ、艶のあるグラデーションリップで仕上げた。

織田ファッション専門学校は、ひと目でアイドルと分かる王道のキュートメイクで勝負した。まつ毛の主張は控えめに、ピンクを基調としたアイシャドウやラインストーン、ラメ、パールを大胆に取り入れ、ステージ映えする華やかさを演出。リボンをあしらったヘアスタイルや衣装、アクセサリーまで、トータルでK-POPアイドルの世界観を作り上げた。

続く「K-ヘリテージメイクアップ」では、韓国の伝統文化を現代的なメイクで表現。資生堂美容技術専門学校は韓国の国花であるムクゲから着想を得たメイクを披露し、東京総合美容専門学校は、伝統工芸の螺鈿細工(らでんざいく)をモチーフに、青やピンクなどの色彩とパールやラメで虹色の輝きをイメージした。織田ファッション専門学校は、韓国の伝統色「五方色」を顔周りに配し、大胆なアートメイクに。韓国の伝統文化をそのまま再現するのではなく、それぞれのモチーフを独自の色使いやメイクに落とし込んだ。

審査の結果、「K-POPアイドルメイク」部門では東京総合美容専門学校が、「K-ヘリテージメイクアップ」部門では織田ファッション専門学校がベストチームに輝いた。受賞チームには、韓国往復航空券が贈られた。

20分で発揮した日本美容学生の表現力

審査員のソン氏は、メイクアップアーティストのジョン・センムル(Jung Saem-mool)が運営するトータルビューティショップ「ジョンセンムルインスピレーション」で18年間活動し、総括院長を務めた経歴を持つトップメイクアップアーティストだ。

指導対象は、メイクアップを学び始めた学生だけではない。10〜20年以上のキャリアを持つベテランアーティストや、韓国各地から技術を学びに訪れるプロフェッショナルもいたということから、「アーティストたちのアーティスト」として知られているそう。

そんなソン氏が日本の美容学生たちのメイクショーで特に印象に残ったというのが、「想像力と大胆さ」だ。「学生の皆さんはKビューティについて深く学び、想像力を自由に膨らませて表現してくれました。制限時間は20分と短く、大勢の観客が見守る中でのメイクでしたが、大胆に筆を動かし、緊張しているようには見えなかった。こうした状況でも臆せず表現できることは、さまざまなプレッシャーがかかる実際の現場でも必要なスキルです。皆さんの今後の活躍がとても楽しみになりました」とコメントした。

同コンテストが日本で初めての審査員経験となったソン氏。感想を聞くと、「大変貴重な経験でした。ぜひまた招待してほしい」と笑顔を見せた。

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