
コスメブランド「シロ(SHIRO)」は11月6日、旗艦店「シロ 銀座本店」を東京・銀座にオープンする。「日本の再編集」を掲げ、限定フレグランスの販売やポプリ作りの体験を通じて、日本各地の素材や文化の魅力を伝える。スキンケアやメイクアップ、ホーム製品なども取り扱う。
同店は1960年築の銀座ビルディングの1、2階に出店する。設計はDRAWERSの小倉寛之氏が手掛けた。かつて同所に店を構えていた「45R」から受け継いだ木材や石材を再利用し、既存のコンクリートの柱や梁も生かした。1階は日本家屋の土間をイメージし、2枚の引き戸を開くことで通りと店内がつながる空間に仕上げた。
建材の継承には、設計・施工側の細かな仕事が伴った。材料を一度取り外して寸法を測り、研磨や加工を施して用途を組み直した。床材はテーブルの天板に、柱に使われていた材料はテーブルの脚に姿を変えた。既存の材料を見立て直すため、小倉氏が描いたスケッチは約300枚に及んだという。
銀座本店限定のフレグランス“SHIKI FRAGRANCE(四季フレグランス)”(各40mL、各5060円)は、日本の四季と銀座の街の歴史に着想した4つの香りをそろえる。春の“桜/SAKURA”、夏の“竹/TAKE”、秋の“抹茶/MATCHA”、冬の“灯/AKARI”で、それぞれ柳やショーウインドー、れんが街、ガス灯といった銀座の風景を重ねた。
2階には「ポプリブレンダーラボ」を新設する。日本各地の生産者やきこりから届く草木や木片、廃棄される予定だった花などを自由に組み合わせ、限定フレグランスで香りを付ける。体験と商品代を含め3960円で、所要時間は約30分。
店内には、建物で使われていた古いポストを再利用した「シェアポスト」も設置する。同店では、限定フレグランスの購入者やポプリ作りの体験者にはがきを渡し、店内で書いて国内外へ送れる仕組みを設けた。関係者向けのトークイベントでは、小倉氏が銀座に根付く文具店や手紙の文化などを背景に、この体験を提案した経緯を語った。今井浩恵・シロ会長は、当初はその意義を見いだせなかったと振り返る。その後、自身宛てに届いたはがきをきっかけに、その場で書いて送れる体験に価値を感じるようになったという。
今井会長は、2027年3月の開業に向けて北海道砂川市で整備を進める複合施設「パークシロ(PARK SHIRO)」にも言及した。施工会社や建築家の苦労に触れながら「やりたいことは譲らない」と述べ、自社ができるのは「諦めない」ことだと強調した。銀座店の手応えを聞くと、「パークシロがあるから……」との返答にとどまり、新たな旗艦店の開業を前にその視線はすでに次の計画に向いているようだった。

■「シロ」銀座本店
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
住所:東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング1、2階