PROFILE: (左)遠藤祐貴/ディレクター (右)古矢悠気

日本のM&Aにおいてもプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)が絡むようになったからこそ、事業会社にはそれぞれの特性を把握する必要がある。各PEファンドはいずれも事業会社のパートナーになることを目指しているが、そこに至るまでの思いから手法まではさまざまだ。そこで「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティ業界でも存在感を放つPEファンドにインタビュー。それぞれが手掛けた事業成長の具体例と共に紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月31日号からの抜粋です)
ユニゾン・キャピタル
PE投資の先駆者であるユニゾン・キャピタル(以下、ユニゾン)が、アパレルやビューティなど「感性」を強みとする企業への成長支援で存在感を示している。PEファンドに対して抱かれがちな性急なコスト削減や過度な数値管理というイメージとは一線を画し、投資先の企業文化や創業のDNAを尊重する姿勢を徹底する。デジタルをはじめとする各領域への経営人材の招へいや経営管理体制の構築などを「黒子」として整えることで、ブランドの世界観を損なわずに持続的成長を後押しする投資モデルを確立している。
「黒子」に徹するがアパレル成長支援の流儀
ファッションやライフスタイル分野の中堅企業は、独自の感性や世界観によって熱心な顧客層を引きつける一方、規模拡大の局面ではサプライチェーンや組織設計、デジタル化の壁に直面することが多い。だが外部資本の受け入れには「過剰な合理化によってブランドの独自性が破壊されるのではないか」という創業者の警戒感も根強い。
ユニゾンはこの懸念に対し、事業の強みやDNAを理解し、生かして経営を支援する。投資検討時には財務諸表の分析にとどまらず、現場のキーパーソンがどのような役割を担い、どのような商流でビジネスが成立しているのかを綿密に解きほぐす。「ユニゾンが関与しなくても成長できるなら、われわれが入る意味はない」と遠藤祐貴ディレクターは話す。投資委員会では、ユニゾンの介在価値がどこにあるのかを厳密に自問自答する。ここに上下関係を排したユニゾン独自のフラットな組織風土が加わり、投資先に対しても「箸の上げ下げまで指図しない」対等なパートナーシップとして反映されている。
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