
ナリス化粧品の日焼け止めブランド「バイサンロクゴ(BY365)」が、同社異例のヒット作になっている。今年は2月10日に“パウダリーUVクリーム”[SPF50+・PA++++、UV耐水性★★](60g、1089円※編集部調べ、以下同)2種に加えて新剤型の“パウダリーUVジェル”[SPF50+・PA++++、UV耐水性★★](70g、1089円)を追加発売したところ、半年間の出荷数量が前年比157%増とさらに伸長した。ヒットの要因として語られるのは、“塗布後にクリームがパウダー質感へと変化する”独特のテクスチャーだが、この基材は男性研究員が経験した“愛娘のおむつ交換”が開発のヒントになっている。
紙おむつの吸水ポリマーに着想を得て化粧品に応用
製品の大きな特徴となるこの基材は、育休を取得した同社の男性研究員が育児に向き合う日々の中で、水分を含んでも表面がサラッとしている紙おむつのポテンシャルに気づいたことが始まりだった。2023年に紙おむつに使われている吸水ポリマーに着想を得て化粧品に応用する試行錯誤が始まり、24年2月にブランドデビュー。当初は1製品のみの取り扱いだったが、独特のテクスチャーを表現した“ぽてさら”というキャッチコピーと共に認知度を広げていき、発売9カ月の売り上げは計画比132%増を記録した。
また、この反響を糧にユーザーの声を反映した製品作りを続け、ポリマー入りゆえの毛穴カバー感が支持されていたことを受けて25年にはトーンアップタイプも発売。シリーズ発売1年8カ月後となる25年9月には累計販売個数140万個を突破している。
ドラッグストアに通年置かれる同社の代表ブランドに
開発当初、同シリーズは20代後半女性をイメージしていたが、売り上げが伸びるにつれて想定していなかったユーザー層がいることもわかった。肌に塗布した時のベタつきを嫌がる男性や、更年期などで汗をかきやすい世代にも“ぽてさら”なテクスチャーが受け入れられていたほか、植物性保湿成分のCICAやドクダミエキス配合のスキンケア要素や酸化亜鉛、グリセリン、アルコール、パラベン、鉱物オイルフリー処方の安心感から、“子どもにも使えるファミリーUVケアアイテム”としても活用されていたのだ。そこで、26年には製品リニューアルを実施。香り付きにしていた“パウダリーUVクリーム”を無香料にしたほか、伸ばしやすいジェルタイプもをラインアップに加え選択肢を広げるなどしている。
通年使用の認知が高まっているとはいえ日焼け止めは春夏にもっとも売れる“シーズナルアイテム”で、販売数が減少する秋冬には店頭での棚も大きく縮小される。これまで同社の日焼け止めは盛夏のみ陳列されることが多かったが、「バイサンロクゴ」は秋冬でも店頭に並ぶブランドへと成長した。同ブランドは今後、“1年中使える日焼け止め”としての立ち位置確立を目指す。