
ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、嗅覚と聴覚のユニークなケミストリーの話。(この記事は「WWDJAPAN」2026年9月28日号からの抜粋です)

木津由美子/ビューティ・ジャーナリスト プロフィール
(きづ・ゆみこ)早稲田大学卒業後、外資系航空会社、化粧品会社のAD/PRを経て編集者に転身。「VOGUE」「marie claire」「Harper's BAZAAR」でビューティを専門に担当し、グローバルトレンドやウェルネス企画などを展開。2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。FASHIONSNAPにて香水連載を展開中
【賢者が選んだ注目ニュース】

今年、創立100周年を迎えたNHK交響楽団。100周年特別企画として開催された、首席指揮者ファビオ・ルイージの指揮による「フランツ・シュミット/オラトリオ『7つの封印の書』」を先日NHKホールで拝聴した。その圧巻の演奏はもちろん、終演後もいつまでも鳴り止まない拍手と「ブラボー!」の声にも、強く心を動かされた。
ところで、なぜこの演奏会を聴きに行ったのか。実は、クラシック音楽をコンセプトとする日本発フレグランスブランド「ラニュイ パルファン(LA NUIT PARFUM)」が5周年を迎えたこの秋、ルイージ自身の調香による同楽曲をテーマにした新作を発売するからである。そう、ルイージは調香も手掛けていて、自身のフレグランスブランド「エフエル・パルファン(FL PARFUMS)」を展開している(日本未発売)。
4月の来日時にインタビューするとともに「エフエル・パルファン」を試す機会を得たが、その香りはまさしく、指揮者によるクリエイション。香料が何ひとつ主張することなく、見事なハーモニーを奏でている。本人は「本当に趣味でやっているので」と恐縮至極だが、ゲランのティエリー・ワッサーを介して大手香料メーカーIFF(インターナショナル・フレイバーズ&フレグランシズ)のディレクター、ロン・ウィングラッドのもとで約1年間パーソナルレクチャーを受けたというから、その創作は決して「趣味」の一言では片付けられない。
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