
「フェラーリ(FERRARI)」は、ブランド初となるフル電動の次世代スポーツカー“ルーチェ”をイタリア・ローマで発表した。同モデルは、「フェラーリ」が推進するマルチエネルギー戦略の一環であり、これまでのパワートレインの枠を超えた新しいカテゴリーに位置づけられる。
ラブフロムとの共同開発によるシンプルなデザイン哲学
デザインは、元アップル(Apple)のチーフ・デザイン・オフィサーであるサー・ジョニー・アイブ(Sir Jony Ive)とマーク・ニューソン(Marc Newson)が率いるクリエイティブ集団、ラブフロム(LoveFrom)と共同で手掛けた。フェラーリ・スタイリング・センターの外部からチームを招くことで、分野横断的なデザイン理念を導入している。
外観は、ベルトラインの下まで伸びるシェル状のグラスエリアと、そのシルエットを包むように配置された前後のウイングが特徴で、空気抵抗係数は同ブランドのロードカー史上最小を達成した。さらに、フロント23インチ、リヤ24インチという前後のリム径差を持つ専用ホイールや、消灯時にボディーに溶け込む透明なライトパネルなど、ディテールのシンプル化を徹底。また、電動アーキテクチャーの採用により、“プロサングエ”に続く「フェラーリ」として2台目の4ドアであり、初の5人乗り(5シート)となる室内空間を確保している。
1050馬力のハイパフォーマンスと独自のサウンドシステム
技術面では、各輪に1基ずつ、計4基の永久磁石同期モーターを搭載する4輪駆動システムを採用した。システム電圧800V、容量122kWhのバッテリーパックを構造要素として一体化した専用の車台構造をベースにし、車両重量は2260kg。最高総出力は1050cv(約1050馬力)、0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は310km/h超、航続距離は530km超の性能を持つ。
電気自動車において課題となる走行音については、独自の特許システムを開発した。回転部品の振動を加速度計で捉え、信号をイコライズ・増幅して発するメカニカルサウンドを追求している。インターフェースには、機械式のボタンやメーターと多機能デジタル・ディスプレーを融合。100%再生アルミニウムから削り出された3本スポークのステアリング・ホイールなど、素材の質感にもこだわった。
「フェラーリ」のベネデット・ヴィーニャ(Benedetto Vigna)最高経営責任者(CEO)は、同モデルについて「私たちが思い描く電動化ビジョンを世に示すモデルだ。パワートレインの革新にとどまらず、ラインアップにまったく新しいジャンルを確立した」とコメントしている。