プリントシール(以下、プリ)が30周年を迎えた。プリ大手のフリューが昨年12月から実施している人気プリ機の復刻企画「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ(以下、伝説プリ)」や、4月5日まで開催している体験型展示「ウチらのプリ展 〜Dear令和 By平成〜(以下、プリ展)」がSNSで話題だ。スマートフォンの登場により、より簡単に撮影を楽しめる今なおティーンから支持を集めるのはなぜか。
Y2KカルチャーとIPコラボの隆盛はプリにも
プリ機の設置台数は2025年3月末時点で約5700台、年間プレー回数は24年度実績で約3000万回にのぼる。撮影経験がある女子高生の割合も95.7%(24年モニタス調べ)と、その人気を裏付ける。昨年には「姫と小悪魔」(06年)「LADY BY TOKYO」(11年)「Melulu」(19年)の3台を「伝説プリ」としてリバイバルさせ、当時のユーザーをゲームセンターに呼び戻した。とある場所では、2時間待ちの列ができたという。平成ヒットソングと共にインスタグラムに投稿する人が続出した。
もう1つ見逃せない動きがある。IPコラボ全盛の中、「ちいかわ」や「おぱんちゅうさぎ」など人気キャラクターとのコラボを発表してきた。「伝説プリ」では、平成の女子学生から人気を集めたキャラクター「一期一会」とコラボし、ユーザーの高い満足度に貢献した。一方、IPコラボはプリを海外に広げる役割も担う。25年に中国のイベント「ビリビリワールド 2025(Bilibili World 2025)」でバーチャルシンガー「初音ミク」のパッケージのプリ機を設置したところ、約1時間の待機列ができた。「プリは女子高生のもの」というイメージを覆すような、男女が入り混じった光景が広がっていたという。
スマホ世代にも響くあの空間の体験
こうした企画には、「プリ展」開催記念のトークショーに登壇した榎本雅仁社長も手応えを感じている。「スマホなど(ほかにも写真を加工するツール)がある今なお、あの空間の中で体験することはユーザーさまにとって非常に価値が高い」。そういった意味では、参加型のアトラクションに近い存在なのだろう。ブースに入るや否やユーザーはその世界観に没頭し、時間制限のドキドキ感や仕上がりのワクワク感を共に味わえる。フリューでCpEO(超“プリ”エンジョイオフィサー)を務め、同じくトークショーに登場したお笑い芸人のエルフ荒川さんも「1枚目と7枚目の表情ってまたちょっと違う。どんどん打ち解けていくというか」と語る。
こういった本質的な楽しさを打ち出すため、2月には最新プリ「センチユー(CENTI:U)」を導入した。榎本社長が「一言でいうとワチャワチャできるプリ」と表現した通り、ユーザ同士の仲を深める工夫を凝らした。例えば、筐体(きょうたい)はあえて従来の2分の1のサイズにすることで、ユーザーの距離を縮められるように設計。カメラのアングルは上・正面・下の3種類から選べるという設定も、自然な会話を生む。「顔を盛るためだけの空間」というイメージではなく、「思い出を作る空間」というイメージを広げる。
「プリ展」は、こうした思いが空間になったと言える。セガ フェイブ、バンダイナムコエンターテインメント、辰巳電子工業、ミーグループジャパン、トモエンターテインメントなど、共にプリの成長を作ってきた企業の協力のもと実現した。「センチユー」ほか、元祖プリントシール機「プリント倶楽部®2」の展示や「美人-プレミアム-」(07年)の模擬体験、平成プリの撮影ギミックを搭載した「平成プリパニック」の体験など、充実したコンテンツが平成世代から令和世代のファンを出迎える。
■「ウチらのプリ展 〜Dear令和 By平成〜」
期間:4月5日まで
場所:OPENBASE渋谷
住所:東京都渋谷区宇田川町14-13 宇田川町ビルディングB1階、1階