
ファンケルは9日、2035年に向けた長期経営構想を発表した。35年には売上高目標2000億円を目指す。海外売上比率は現在の1割未満から2割超(約400億円)に引き上げる。
同社は創業以来、「正義感」と「世の中の『不』の解消」を理念として掲げてきた。ただ近年について三橋英記社長は「目の前の顧客の不便を解消する改善にとどまり、本来目指すべき変革の水準には至っていなかった」と振り返る。こうした反省を踏まえ、理念体系を整理した。
今後は、美と健康の領域で、顧客が不安や不満といった「不」を感じた際に「『まず相談してみよう』と思っていただける、信頼できるブランドとなることを目指す」。10年後を見据え、ブランド価値の確立を進める。ブランドイメージの一貫性を高めるため、コーポレートロゴを刷新した。今後はデザイナーの吉岡徳仁氏による新ロゴのもと、すべての事業活動や企業としての考え方を一貫して発信する。
国内ではOMO(オンラインとオフラインの融合)を強化するほか、AIを活用したパーソナライズ提案を推進し、ブランドへの共感度が高い顧客基盤の拡大を図る。
海外では、日本で培ったブランド価値と独自のビジネスモデルを磨き上げ、他社と異なるポジショニングを確立する方針だ。特に日本との親和性が高い中華圏を重点市場と位置づけ、事業展開を加速する。中国では、これまで出遅れていたECの強化を進める。近年はマーケティング投資を抑えていたが、今年後半から新戦略のもとで投資を再開し、ブランド認知の向上を図る。
また、キリングループとのシナジーを生かし、東南アジアをはじめ新規参入国への展開も進める。海外事業を拡大し、長期的な成長基盤の構築につなげる。