
PETケミカルリサイクル技術を手がけるジェプラン(JEPLAN)と、色材分野で高い技術力を持つ日本化薬は、ケミカルリサイクル工程において「脱色しやすい染料」を選定するための基準を共同で策定した。
繊維to繊維のリサイクル、とりわけケミカルリサイクルでは、染料を除去する脱色工程がコスト・環境負荷の両面で大きな課題となってきた。今回両社が打ち出したのは、リサイクル工程側で対応するのではなく、製品設計の段階から「リサイクルしやすさ」を組み込むというアプローチだ。
背景にある「脱色コスト」という構造課題
日本では現在、経済産業省の産業構造審議会を中心に「2030年までに繊維to繊維リサイクル5万トン」という目標に向けた議論が進んでいる。ケミカルリサイクルはその中核技術として期待される一方、染料除去に高いコストがかかることが、再生素材の用途拡大を阻む要因となっていた。
「どのような染料を使うか」という意思決定が、リサイクルの可否やコストを左右するにもかかわらず、これまで製品設計とリサイクル工程は分断されてきたのが実情だ。
今回策定された「CR脱色適合染料」の選択基準は、日本化薬が検証用染料や分析・評価技術を提供し、ジェプランがケミカルリサイクル工程において効率的に脱色できる染料の特性を抽出・基準化したもの。これにより、ブランドや素材メーカーはあらかじめ“脱色しやすい染料”を選ぶという、新たな設計判断が可能になる。従来は「回収後にどう処理するか」が焦点だった繊維リサイクルに対し、「作る前から循環を考える」という視点を明確に打ち出した点が特徴だ。両社は、この基準の活用によって脱色コストの大幅な低減が期待できるとしている。
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