3年前にピッティ・イマージネ・ウオモで発表して以来、久々に「ハイダー アッカーマン」がメンズのショーを開催した。今後、本格的に展開する予定という。
ピッティの時は、まるで着物のような総柄のシルクをたっぷり使い、ドレープを楽しんだ得意の和洋折衷ルック。美しいのは当然だが、凝りに凝った柄と贅沢な生地使いで値段が高騰し、正直、リアルクローズに着地したとは言い難かった。しかし今シーズンは、柄をジグザグなど最小限にとどめ、得意のドレープも上から下に布をたらすより、左から右に生地をたわませる程度にとどめることで、コストダウンを図っているようだ。
また、難解ゆえニッチに陥りやすいドレープ至上主義も一部改めた。それでもピークドラペルのセットアップにはファスナーを斜めに走らせ、クローズすればアシンメトリーなシルエットが完成するように。ボンバーブルゾンにも、肩口には巨大なダーツ、裾には巨大なリブを配することで、ドレープに匹敵するくらい生地が大きくたわむシルエットを生み出している。より大勢に受け入れられるシンプリシティにつながったコストダウンと、難解なスタイリング主義からの脱却が、メンズを本気ではじめていこうとするハイダー・アッカーマンの意気込みを逆に強く伝えた。
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