誰よりも先に新しいモノを見つけ、人々に紹介し、驚かせることを生業としてきたファッション業界の花形職「バイヤー」。「いつでも、どこでも好きな服が買える」といっても大げさではなくなった今の時代に、その役割と存在意義は大きく変化しています。
「WWDJAPAN」は13年ぶりの「バイヤー特集」で、新時代のバイヤー像を探ります。
モノ、情報、人々の感情が氾濫する現代。入手自体は容易になったが、その中から「本当に価値あるもの」を選び抜く目利きの力は、むしろ必要性を増しているはず。その目利きの力は、いまやファッションを超えてライフスタイル全般へと波及。同時に、バイヤーの役割は買い付けにとどまらず、商品開発、売り場作り、企画や空間設計へと深まっています。店頭で展開するVMDやイベントまで練る。デザイナーと対話し、ブランドの価値を理解し、解釈し、顧客へと伝えることで、バイヤーは“ストーリーテラー”としての役割を強めています。
本特集では、デザイナーズブランドや海外ブランドインポーターらにも話を聞き、彼らの言葉と共に“買われる”(=信頼される)バイヤーたち20人を紹介。価値を見極め、信頼を武器にブランドと消費者をつなぐ、新しいバイヤーの姿が浮かび上がってきます。
ファッションの広告炎上はなぜ今だに起こるのか?
特集以外では、「アメリカンイーグル」の広告をケーススタディーとして、専門家の見解を交えながら広告が炎上する理由や影響についての分析記事を掲載しています。「アメリカンイーグル」は若手俳優のシドニー・スウィーニーを起用した広告が「人種差別的だ」として炎上したことが記憶に新しいですが、過去に類似の事例がたくさんあるにもかかわらず、なぜこうした失敗が繰り返されてしまうのでしょうか。
齊藤孝浩ディマンドワークス代表による月1回の人気連載「齊藤孝浩のファッション業界のミカタ」では、今回はエアークローゼットにフォーカス。ついに黒字化した同社の決算書から、レンタル事業のビジネスモデルを検証します。
PHOTO:KOICHI TANOUE
HAIR:DAICHI TAKABACHI
MODEL:ISSEI KOYAMA ,AYAMI YAMANOBE
ART DIRECTION & DESIGN:RYO TOMIZUKA
COVER REEL DESIGN:CHIGE (GWISUB JUNG)