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伊勢丹新宿本店約40年振りの大改装 化粧品売り場のデジタル施策を市川渚が体験 前編

 三越伊勢丹は11月20日、伊勢丹新宿本店本館の化粧品フロアのリモデル第2弾として、1階化粧品売り場をグランドオープンした。“セルフプロデュース”をコンセプトに、外側から自身を美しく彩るメイクアップとフレグランスをゾーニングする。「RMK」や「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」などを集める「アーティストメイクゾーン」では常駐するメイクアップアーティストによるタッチアップの様子を記録し動画として持ち帰れるサービスなど、顧客自らが“美”を追求できる施策を提案する。

 1階では化粧品売り場のグランドオープンに先駆けて10月23日にリニューアルオープンしたフレグランス売り場もオリジナリティーのあるサービスが特徴だ。売り場面積が約1.5倍になり、ゆったりとしたスペースでコンサルテーションが受けられるほか、エングレービングやラッピングサービスなどパーソナルな施策を用意している。

 今回、ファッションやデジタルの業界で活動するクリエイティブ・コンサルタントの市川渚氏に同店のデジタル施策を同売り場を体験してもらった。

 1階では、バーチャルメイクアプリ「ユーカムメイク(YOUCAM MAKEUP)」を活用した「NARS」のメイクアップサービスと日本初「ゲラン(GUERLAIN)」のフレグランスのみを取り扱う店舗「ゲラン パフューマー」の、脳波で好みの香りを診断するパーソナライゼーションサービスにフォーカスした。

 「NARS」が展開するデジタルツールを用いたメイクアップサービスは、AR(拡張現実)によるコスメのシミュレーションで、リップやファンデーションなどの質感の違いやさまざまな色味の組み合わせなども自由に試すことができるのが特徴だ。同サービスを利用した市川氏は「使用している『NARS』のリップをこのサービスで試しても、全く同じ色味で正確性に驚きました。例えば少し派手な色味のコスメを試したときには一度唇につけると、オフしても次の色を付けても色味が分かりにくい。こういったサービスはすごく便利でコスメ選びの失敗が少なくなると思います。ARの利点を生かした、コスメと相性の良いサービスだと実感しました」とコメントした。その後、メイクアップアーティストがメイクを指南、市川氏自分でメイクを施す横でアドバイス、それを動画で撮影しているので、後で市川氏の携帯に送れるというものだ。「NARS」などを集めた「アーティストメイクゾーン」では、これまでイベント時のみにいた各ブランドのメイクアップアーティストがブティックに常駐ようになったため、顧客自らが“美”を追求できる環境を強化した。

 次は、日本初の店舗「ゲラン パフューマー」では、脳波の動きで100種類以上の中から本能的に好みの香りを発見する「ゲラン」が世界で初めて導入したデジタルコンサルテーション “マインドセント”を実施する。ボトルデザインや香料など視覚的な情報や先入観に左右されずに、感情と嗅覚の揺れを読み取り、同ブランドが掲げる、自身の“象徴(シグネチャー) ”となる香りを提案する。
 
 新サービス“マインドセント”はシトラス、フローラル、オリエンタル、シプレ―の4つの香りをそれぞれ15秒ずつ試し、脳波がどう反応したかを専用のヘッドギアで読み取る。

 その後診断によっては質問に回答し、よりパーソナルな結果に導いていく。市川氏の診断結果はフローラルな香りのものだった。
 
 市川氏は「普段はフローラルなものよりもウッディーな香りを選びがち。これまで香水はブランドやストーリー、ボトルデザイン、香りなどをもとに選んでいましたが、このサービスは、自分の好みや経験などがもたらす認知の偏りを取り払い、自分の本能的な反応をベースにして商品をおすすめしてくれる。まったく新しいアプローチで香りに出合えるところがユニークですね」と興奮気味にコメントした。

 後編は、リモデル第1弾として、「IPSA」「SK-Ⅱ」など約40ブランドを導入した2階のスキンケアゾーンで、顧客自身が商品を調べることができるデジタルツールやスキンケアのコンサルテーション体験をリポートする。