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デザインとアートの祭典「デザイナート」が開幕 今年の見どころは?

 デザインとアートの祭典「デザイナート トーキョー 2019(DESIGNART TOKYO 2019、以下デザイナート2019)」が10月18日開幕した。「デザイナート2019」では東京各所でアートやデザイン関連のイベントや展示が行われる。今年で3回目を迎え、エリアを銀座や新宿まで拡大し、インテリア、ファッション、デザイン、テクノロジーなどジャンルの枠を超えたバラエティー豊かな展示に注目だ。ここでは、「デザイナート2019」の見どころを紹介する。

北青山にアジアの若い才能が集結

 今年のメーンイベントはワールド北青山ビルの「1%フォーアート」をテーマにした展示だ。「1%フォーアート」とは公共建築費の1%をアートの費用に充てる文化制度で、世界各国で取り組みが行われている。この展示は香港を拠点に活動するキュレーションチームのデザインピア(DESIGN PIER)が手掛けた。デザインピアはアジアのデザインにフォーカスし、日本をはじめ、中国やシンガポールやインドネシア、パキスタン、オーストラリアのデザイナーによる作品を紹介。椅子やテーブルなどのインテリアから、なでると「ミャー」と鳴くネコのオブジェまでさまざまだ。

 デザインピアの設立者のゾフィア・イロスヴァイ(Zsofia Ilosvai)は、「以前はアジアのデザインは保守的だったが、若いデザイナーは伝統をモダンに再解釈して表現している。ここに来ればアジアのデザインに何が起こっているか分かる」とコメントした。ここで展示されている作品は購入も可能だ。

グーグルが考える日常とテクノロジーの関係

 グーグル デザイン スタジオ(GOOGLE DESIGN STUDIO)は六本木の21_21デザインサイト(21_21 DESIGN SIGHT)ギャラリー3で「カンマ(COMMA)」というインスタレーションを開催。「カンマ」とは「間」のこと。トレンド予測のパイオニアであるリドヴィッチ・エデルコート(Lidewij Edelkoort)が東京、米ニューヨーク、スウェーデン・ストックホルム3都市からセレクトした家具や日常品、おもちゃを「グーグル」のスピーカーやイヤフォンなどの新製品と展示している。

 グーグルのハードウエアデザイン部門のアイビー・ロス(Ivy Ross)=バイスプレジデントは、「日常にあるテクノロジーは、せわしない日常でスローダウンする手段にもなる。その関連性を探った展示だ」と語った。エデルコートは、「テクノロジーによって全てが加速しているが、現実は昔も今も変わっていない。人は時間を求めているということだ。道具の使い方次第でゆったりした時間を過ごすことができる」とコメント。グーグル製品に使用されているリサイクルテキスタイルに着目し、オランダ人デザイナーが手掛けたアンティークの壁掛けも展示されている。

「ホンダ」が未来の自由運転をシュミレーション

 「ホンダ(HONDA)」は本田技術研究所でデザインエンジニアの山中俊治とと共に開発した未来の“自由運転”を体感できるシュミレーターを展示している。自動運転の時代が到来し、将来的には自由運転が可能になった時の自動車をデザイン。自由運転とは、自動運転でありながら、人が運転に介入できるというものだ。シュミレーターにはペダルがなく、ステアリングウィールより小ぶりの円形のハンドルで操作するようになっている。そのハンドルをたたいたり、押したり、引いたりすることで運転に介入できるが、よそ見をしたりコミュニケーションを取りたい時は自動運転になる。まるで人が散歩をするかのように車を用いて移動することができるというものだ。目の前には高速道路や海辺の道などのヴァーチャルなイメージが広がり、未来の自由運転を体感できるようになっている。

「ラリック」銀座店で出合うダミアン・ハースト

 「デザイナート2019」の新たなエリアに加わった銀座。「ラリック(LALIQUE)」銀座店では、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)とコラボレーションしたアートピースを展示している。“生命の循環”を象徴するさまざまなモチーフをクリスタルで表現した“エターナル”コレクションが勢ぞろいし、日本初公開作品も含まれている。ハーストが愛してやまない“科学”“宗教”“生命”“死”というテーマを「ラリック」が持つ高度なクラフツマンシップが表現。スカルや十字架といったおなじみのモチーフを用いた作品やナイフが貫いた牛の心臓にハトの羽が生えた「エターナル イマキュレート(ETERNAL IMACULATE)」などを見ることができる。