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キャンバスバッグの「リュニフォーム」が日本旗艦店に丸の内を選んだ理由は?

 キャンバスバッグで知られるフランス発の「リュニフォーム(L/UNIFORM)」は4月23日、東京・丸の内仲通りに日本初の旗艦店をグランドオープンした。パリの旗艦店のデザインを踏襲し、ワンダーウォール代表でインテリアデザイナーの片山正通が内装を担当。壁面には、貴族や学者の博物保管室や展示室から着想を得た白いディスプレーボックスを配置し、一つ一つのバッグを展示販売している。

 商品は“ユニフォーム(制服)”を意味するブランド名の通り、商品は角丸のスクエア型で統一感のあるデザイン。全部の商品がユニセックスで、子どもから大人まで使用できることから顧客幅が広い。セールスポイントのカスタマイズオーダーではキャンバス地やパイピングの色を選べ、イニシャルのスクリーンプリントを施すことができる。店内ではカスタマイズサンプルを用意しているほか、簡単にシミュレーションできるタッチパネルも設けている。

 グランドオープンに合わせて来日した「リュニフォーム」のジャンヌ・シニョル(Jeanne Signoles)最高経営責任者(CEO)兼アートディレクターに、丸の内に店舗を開いた理由やデザインのこだわりを聞いた。

WWD:日本の旗艦店に丸の内を選んだ理由は?

ジャンヌ・シニョル=リュニフォームCEO兼アートディレクター(以下、シニョル):オフィス街でありながらも、落ち着いたショッピングエリアのある丸の内仲通りの雰囲気がとても気に入りました。「リュニフォーム」の商品はシンプルな日常使いのバッグや小物が中心なので、銀座や青山のように多くのラグジュアリーブランドが軒を連ねる場所よりも、丸の内のように仕事をしている人たちが集まる場所がブランドのコンセプトに合うと思ったからです。

WWD:内装を片山正通氏に依頼したのはなぜ?

シニョル:片山さんとは10年前に日本を訪れたときに出会いました。そのときに見た彼のデザインに心を引かれ、14年にオープンしたパリの旗艦店のデザインも担当してもらったんです。片山さんと話す中で、私のデザインに対する考えや感覚に共通点を感じていました。片山さんはとてもスマートで、私の表現したいことをすぐに汲み取ってくださり、とても仕事がしやすかったです。また、祖父が建築家だったことから、私も建築が好きで、昔から日本人の建築家やアーティストに興味がありました。特に安藤忠雄の建築や杉本博司の作品がお気に入りです。

ブランドの世界観を100%表現するために スタッフは自社で完結

WWD:日本のファッション市場をどう分析している?

シニョル:ビジネス的にも個人的にも日本のファッションに魅力を感じてきました。日本の人たちはファッションに対する意識が高く、訪れるたびに新しいブランドを発見するのが楽しみになっています。また、日本市場に「リュニフォーム」を紹介するにあたって、日本に世界観を伝えることができる旗艦店を構えることが必要不可欠だと思っていました。そのブランドの世界観や思いを100%表現するためには、日本では代理店と契約せず、卸売りを行わずに、全てを自社で完結することが大事だと考えました。なので、日本の店舗はパリのオフィスが100%経営しており、ディスプレーやスタッフ採用も自社で行っているんです。現在は15人ほどのスタッフが日本にいます。

WWD:旗艦店だけの特別なサービスを用意している?

シニョル:カスタマイズ用に日本の国花である桜のシルクスクリーンスタンプを作りました。色も桜らしい淡いピンク色にこだわっています。また日本には弁当の文化があって、花見をはじめとするピクニックを楽しむ人たちが多いと聞いたので、保冷性のあるランチバッグも用意しました。フランスでも販売しましたが、ビーチに行くときの日焼け止めクリーム入れにするという人もいます。また、この店舗にはカウンターを設置したので、いずれはカフェも併設した店舗にしたいと思っています。

WWD:商品は名前の通り、統一感のあるクリーンなデザインが特徴です。デザインのこだわりを教えてほしい。

シニョル:日常使いできるものを作りたかったのでシンプルな形を追求し、その分色で遊べるようにしています。同じ形のバッグでも、色で自分らしさを表現して、自分だけの“ユニフォーム”を作れるという提案なんです。私の仕事は、柄や装飾にこだわる一般的なバッグデザイナーの仕事とは異なり、プロダクトをディレクションする感覚に近いです。キャンバス生地は耐朽性に優れたコットンとリネン素材を用いていて、定番カラーがブラック、ブルー、ベージュ、カーキ、レッド、イエローの6色あります。商品はフランス・カルカッソンヌにある自社工場で生産しています。

WWD:ブランドのベストセラー商品は?

シニョル:現在は70品番以上の商品がありますが、日本だと工具バッグ、サッチェルバッグなど実用性の高い商品が人気です。国を問わず売れ続けているミニリュックは最初に作った商品で、子どものおやつを入れるために作ったもの。大人も子どもも使えるサイズ展開になっています。

WWD:洋服やシューズなど、今後ラインを拡大するプランはあるか?

シニョル:新たにサンダルを作り、夏に向けて日本でも販売する予定です。また、インテリア商品の開発も進めていて、クッションなどのホームコレクションも発売を計画しています。