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“究極の女性向けホテル”が京都にオープン 華族の邸宅のような非日常を体験


 パリを拠点に世界100カ国に約4800のホテルを展開する仏アコーホテルズ(ACCOR HOTELS)は、京都・三条に「京都悠洛(ゆら)ホテル Mギャラリー」を4月26日開業した。シンガポールの「ラッフルズホテル」をはじめ、ラグジュアリーからエコノミーまで幅広く手がける同グループは「スイスホテル」など14施設を日本国内で展開。ラグジュアリーとミッドスケールの間に位置付けられるプレミアムホテルブランド「Mギャラリー」は日本初上陸となる。

 最大の特徴は、女性客の満足度を高めることに徹底してこだわっている点だ。“Inspired by her”をキーワードに、女性優良顧客らの意見をホテル運営に反映。“究極の女性向けホテル“として差別化を図り、ホテル建設ラッシュに沸く京都で存在感をアピールする。

大正浪漫を思わせる
レトロモダンな内装

 京阪本線もしくは地下鉄東西線三条駅から徒歩1分、鴨川にかかる三条大橋の東端にオープンした。祇園や八坂神社など人気の観光名所に近く、祇園祭も間近で見られる京都らしさを味わえる立地だ。

 外観はシックでシンプル。だが、館内に一歩足を踏み入れると、そこには非日常の空間が広がり、日本文化と西洋文化が融合した独自の様式が息づいていた。

 エントランスを入って最初に目に飛び込んでくるのが、建物中央部に植えられた竹林庭園である。地下1階から1階までの吹き抜けを青く彩る京都産の竹は、自然光が差し込むガラス張の天窓へと向かい、ダイナミックでありながら癒しを感じる空間となっている。

 1階はフロントとロビー、大政奉還の年を名前にしたバー「1867」で構成。“タイムトラベル、ミステリアスな隠れ家、日本の美意識”をテーマに、大正時代の華族の邸宅を彷彿とさせる内装デザインが印象的だ。

 同ホテルの田中一徳総支配人が解説する。「Mギャラリーはそれぞれの土地でどの時代のどんな歴史と文化を切り取るかを考えるところから開発をスタートします。京都では明治維新から大正ロマン時代に焦点を当て、レトロモダンなデザインを内装や調度品に落とし込みました。京都は町家ばかりで、大正ロマンの建物は意外と少ないのです」。

 館内のアートコレクションや調度品にもすべて本物を採用。「お客さまに心揺さぶるような感動を与えたい」と、ロビーの壁面には約1億円のペルシャ絨毯が飾られ、レストランの柱にはアンティークたんすの古い取っ手が再利用されている。

女性にとって
うれしいサービスが充実

 メインターゲットの30〜40代女性が喜びそうなサービスが充実しているのも大きな特徴だ。フロントロビーで常時提供されているデトックスウオーターは、ありそうでなかったサービスのひとつ。チェックインしたとき、ロビーでくつろいでいるとき、バーでカクテルを飲んだ後、滞在中いつでも柑橘系のデトックスウオーターを味わえる。

 レセプションカウンターには、京都産のアロマエッセンシャルオイル「ミュウセレクション」と、日本画用絵の具を原料にした「京都胡粉(ごふん)ネイル」が数種類用意されている。胡粉ネイルは以前から気になっていたので、早速、試し塗りしてみることに。アロマオイルは好きな香りを選び、試香紙に数滴染み込ませて客室に持ち帰った。就寝前にベッドサイドに置いておくとリラクセージョン効果が得られ、ぐっすりと眠ることができた。

 「朝起きてから夜眠るまで女性のお客さまに喜んでいただけるサービスを用意しました。アロマオイルはここに来ないと体験できない香り。テスターを置いているホテルはありますが、無料で自由に使えるのは珍しいのでは」と、田中総支配人は話す。

 女性を意識したこだわりはもちろん客室にも見られる。全144室の客室は5タイプ。コンパクトながら、西陣織を取り入れた壁面やレトロモダンな照明、大きな窓のある畳の小上がりなど、京都らしさを堪能できる温もりのある内装に仕上がっている。

 ベッドはシモンズ製のマットレスの上に厚さ7㎝の羽毛入り特注トッパーを採用。トッパーはやや柔らかめで、包み込まれるような寝心地は初めての感覚だ。丸くふんわりした感じのベッドメーキングも女性目線を意識したという。バス・洗面台にも女性客の評価が高まりそうな工夫がされている。LEDライトが付いたオリジナルの女優ミラーはメイクがしやすく、いつもより肌が明るく見える。パリ発スパブランド「サンクモンド(CINQ MONDES)」がアメニティーに採用されているのもうれしい。

 気になる宿泊料金は、スタンダードルームで1泊あたり1室2万5000円〜、京スイートルームは7万円〜。「年間客室単価は3万5000〜4万円を想定している」(田中総支配人)という。

隠れ家的バーで
オリジナルカクテルを堪能

 ホテル周辺は関西屈指の繁華街のため飲食店探しには困らないが、ホテル内のレストランとバーもおすすめだ。地下1階の竹林庭園を望みながら朝食からディナーまで楽しめるのが、レストラン「フィフティー フォース ステーショングリル(FIFTY FOURTH STATION GRILL)」。健康志向の女性客向けにベジタリアンメニューなどを提供する。ランチとディナーは、和牛や丹波地鶏を中心にシーフードや京都産野菜を取り入れたフレンチスタイル。朝食はビュッフェスタイルで木箱の弁当などヘルシーな和洋食を味わえる。
 
 1階の隠れ家的バー「1867」のオリジナルカクテルも見逃せない。12種類のうち半分は女性をイメージしたもの。例えば「MAIKO−舞妓−」と名付けられたカクテルは、絹ごし豆腐や木津川クローバー牧場産牛乳といった京都産の食材を使用する。アマレットリキュールが効いた杏仁豆腐のような味わいのカクテルは、お酒に弱い女性でもデザート感覚で楽しめそうだ。

 “究極の女性向けホテル“を標榜し、女性が喜ぶサービスの充実に取り組む同ホテルでは、客層を女性客6割、外国人観光客6割と想定する。「客室稼働率は70%程度を計画し、(開業時の)料金を維持しながら運営していきたい」方針だ。