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英スケートシーンの雄「パレス」の共同創立者ギャレスとレブが来日 「“パレス”へようこそ」

 数人の小さなスケートチームから始まったイギリス・ロンドン発のスケートボードブランド「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS以下、パレス)」は、今やストリートファッションを語る上で欠かすことができないブランドだ。

 2009年にギャレス・スクイス(Gareth Skewis)とレヴ・タンジュ(Lev Tanju)が立ち上げた「パレス」は、創立当初から不可能図形「ペンローズの三角形」を模したアイコニックなロゴ“Tri-Ferg(トライファーグ)”をはじめとする独特なグラフィックと、1990年代風のレトロなデザインで、地元のスケーターを中心に若者たちを魅了。その後、ジェイ・Z(Jay Z)やカニエ・ウェスト(Kayne West)、リアーナ(Rihanna)、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)ら多くのファッションアイコンたちもこぞって着用したことが、世界的人気を加熱させた。

 ファッションブランドからもラブコールは絶えず、今年だけでも「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」や「オークリー(OAKLEY)」「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」とコラボするなど、注目度は輪をかけて急上昇している。

 そんな「パレス」が11月3日、ロンドン店とニューヨーク店に次ぐ世界3店舗目でアジア初となる旗艦店を東京に開いた。オープン当日は、日本人はもちろん台湾や韓国など国外から訪れた人も多く、行列が1500人を超すほどの熱狂ぶりをみせた。熱気渦巻くオープンの前日、ギャレスとレヴの2人が「パレス」のルーツから東京店のこだわり、現在のスケートボードカルチャーについてまでを語ってくれた。

WWD:まずは、「パレス」設立のきっかけを教えてください。

レヴ:僕とギャレスは、幼い頃からずっとスケートボートをしてきた。でも年齢を重ねていくうちに、(スケートボード自体がアメリカ発祥なので)“イギリスにはイギリス人として誇りをもって愛せるようなかっこいいスケートブランドがない”って話になった。そして、僕たちはスケートボードはもちろん服も好きだったから、ファッションにも気を使った“ブリティッシュなスケートチーム”を作ろうってなったんだ。

WWD:ないなら作ってしまおうの精神ですね。

ギャレス:状況に文句を言うばかりじゃなくて、自分たちで良いブランドを作ればいいっていう考えさ。友人のスケーターたちの多くが、ロンドン出身に誇りを持ちながら、現実にはアメリカやロンドン以外を拠点とするイギリスブランドにスポンサードされていることが多くてね。ロンドン出身のスケーターは、ロンドンのブランドがサポートすることが大事なんだ。

WWD:ブランド名は、自分たちの家を“パレス(宮殿)”と呼んでいたことが由来と聞きました。

レヴ:そうさ!サウス・バンク(ロンドンを代表するスケートスポット)に仲の良い友人たちと住んでいた“スケートハウス”があったんだけど、家賃が高いエリアだったのに、僕らの家はボロボロで超安かった。シャワーを浴びてると「ビリリッ」って電気が走るくらいね(笑)。それで、家に来る人たちに対してあえて「“パレス”へようこそ」って言ってたんだよ。

WWD:アパレルのデザインをはじめ、ロンドンという街は「パレス」にどう影響を与えていますか?

ギャレス:全てさ。ただ、イギリスのスケーターによくある風潮なんだけど、たとえそれがロンドンのモノだとしても、特定のブランドの服や靴を身に着けることを恥ずかしがったり、格好が悪いと思うことがあるんだ。でもそうじゃなくて、生まれ育った国のモノを着るのはクールだし、誇りを持つべきこと。「パレス」のアパレルにはそういう意味も込めている。ロンドンのために何かクールなことをしたい、クールな服を作りたいって気持ちなんだ。

WWD:グラフィックが象徴的ですが、誰が手掛けているのでしょうか?

レヴ:“Tri-Ferg”を作ったファーガス・パーセル(Fergus Purcell)、「ザ・トリロジー・テープス(The Trilogy Tapes)」のミュージシャンでもあるウィル・バンクヘッド(Will Bankhead)、1990年代を代表する伝説の音楽レーベル「モ・ワックス(Mo' Wax)」でビジュアル・ディレクターの経験もあるベン・ドラリー(Ben Drury)、そしてベン・サンズベリー(Ben Sainsbury)の4人がほとんどを手掛けている。店内にある赤い“PALACE”のファーオブジェは、ファーガスがデザインしてくれた。

WWD:スケーターは現在、何人所属していますか?

レヴ:プロとアマ含めて14人だ。

WWD:2人の役割は?

ギャレス:僕はビジネス。

レヴ:僕はパーティーだ(笑)。