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現代美術の奇才・会田誠が理想の都市のあり方を描く 表参道で展覧会開催

 都市に暮らす人々に豊かな生活をもたらすような都市づくりを実現するための研究を支援する公益財団法人大林財団は、新しい助成プログラム「都市のヴィジョン―Obayashi Foundation Program」をスタートした。第1回目は、美少女やエロティシズム、戦争、政治などを扱って現代の日本社会を批評するアーティストの会田誠を助成対象者とし、東京・表参道の青山クリスタルビルの特設会場で「GROUND NO PLAN」展を2月10~24日の会期で開催する。入場は無料。

 同プログラムは2年に1度、自由な発想を持ち、都市のあり方に強い興味を持つ国内外のアーティストを5人の推薦選考委員の推薦に基づいて決定。建築家の都市計画とは異なる視点から、都市におけるさまざまな問題を研究・考察し、住んでみたい都市や理想の都市のあり方を提案・提言する。推薦選考委員長を務める住友文彦アーツ前橋館長は、会田を選んだ理由について「ラディカルさにおいて会田誠を選ぶ点については全員が一致した。新しいアーティストの創造性をサポートするこのプログラムの一人目に会田氏が選ばれたことで、プログラムのメッセージを力強く伝えてくれることと信じている」とコメント。

 展覧会では、会田が考える未来の“都市”や“国土”をドローイングや完成予想図、建築模型、絵画、インスタレーション、映像、テキストなど、多様な手法を用いて表現した作品が並ぶ。過去に会田は、「新宿御苑大改造計画」(2001年)や「人プロジェクト」(2002年)をはじめ、公共空間に対し「ほぼ実現不可能であり実現させてはいけないプラン」を思考実験的に提出するという作品を何点か作ったことがある。展示の中心は、プランの完成予想図や立体模型だが、「自問自答的テキスト」の掲示も予定している。会田は、「当初の予定としては旧作の『新宿御苑大改造計画』などといった、アイロニカルかつ誇大妄想的なプランをさらに拡充し、展覧会タイトルも『会田誠の愚案・暴案10連発以上!』などという軽いノリのものにするつもりでした。しかし実際に考え始めると……おちゃらけてばかりはいられない“現実”が目の前に迫ってきて……。楽観と悲観、希望と絶望が頭の中を駆け巡るようになり、その混沌とした頭の中をそのまま見せることになりました。ツッコミどころ満載!乞う御批判!ということで、よろしくお願いします」とコメントを寄せている。

 大林財団は1998年に大手ゼネコンの大林組が主体になって設立。評議委員を建築家の安藤忠雄や森佳子・森美術館館長らが務めている。住友アーツ前橋館長は、「“都市のヴィジョン”は未来的な前のめり感があるようで、じつはかなりラディカル。もはやかつてのユートピア的な創造性が好まれる時代ではなく、都市をくまなく経済や管理の論理が覆う時代だ。あえて個人のアーティストが思い描く“都市のヴィジョン”を知りたいと私たちが思うとすれば、それは国家や自治体、企業の描くものとは全く異なるものになるだろうと思っている。地球環境や他者との共存を切実に求める私たちが、そこに希望を託すべきなのではないか」と話す。

■会田誠 「GROUND NO PLAN」展
日程:2月10日~24日
時間:10:30~18:30 / 金曜日 10:30〜19:30
場所:東京都港区北青山3-5-12 青山クリスタルビルB1F、B2F
入場:無料