ファッション

伊勢丹がブランド古着のラグタグと異例の協業 買取も行うポップアップを開催

 三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹)が5月17日、ブランド古着を扱うティンパンアレイのラグタグ(RAGTAG)と協業したポップアップショップ「アンデッドストックコレクション(UNDEADSTOCK COLLECTION)」を伊勢丹新宿本店イセタンウエスト2にオープンする。期間は5月30日まで。伊勢丹三越からのオファーがきっかけとなったという同ショップは“時代が移り変わっても決して廃れず、ずっと生きつづけてゆく服 (アンデッドストック)”をテーマに、「ファッションをただ消費するのではなく、価値ある服を人につなぐことでファッションを楽しむ人の輪を広げたい」という。

 イベントではイセタンウエスト2の1〜2階を使い、1階で国内デザイナーズ系9ブランドを中心にユーズド商品約200点を販売する。2階ではラグタグの実店舗同様にブランド古着の買取を行う。ここで買い取った商品はすぐに販売されるわけではないという。

 同ショップは“循環型ファッションサイクルの提案”を掲げたポップアップだが、百貨店がブランド商品の二次流通を扱う企業とタッグを組むのは異例。プロパー消費と競合するとして小売市場からタブー視される風潮が強かった。しかし、近年フリマアプリ・メルカリの勃興に代表されるいわゆる“シェアリング”サービスが急成長している背景もあり、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の中古商材の比率増加やストライプインターナショナルのレンタル事業参入など、消費不況の打開策を求めるファッション小売業界からデジタルを駆使して成長を続ける二次流通市場への歩み寄りが進んでいる。三越伊勢丹も2016年11月に子会社を通じて高級中古ブランド品のECサイトを運営するベンチャー企業アクティブソナーに出資している。今回の協業も、ファッション小売と二次流通の融和を加速するきっかけになることは間違いない。

 イベント開催に先立ってイセタンメンズの公式サイト「イセタンメンズネット」では、石田修平・三越伊勢丹バイヤーと平野大輔ティンパンアレイ社長との対談記事を掲載。石田バイヤーは「若い顧客にも東京の旬なファッションを気軽に取り入れてもらうことで、ファッションを好きになってもらいたい。シーズンを超えたアイテムも多数そろえることで、いつもより幅の広い着こなしが楽しめるはず」と話す。平野社長も「常に新しい価値観を提案する三越伊勢丹だが、そこに“古くても価値があるもの”という提案を加えることで、より幅広い層にファッションの魅力を伝えられるはず。循環型のファッションサイクルが文化的レベル、当たり前の世の中になっていく最初の一歩になればうれしい」とコメントしている。

■UNDEADSTOCK COLLECTION
日時:5月17日〜30日
時間:10:30 ~ 20:00 (※最終日は18:00までの営業)
場所:伊勢丹新宿本店イセタンウエスト2 1〜2階
住所:東京都新宿区新宿3丁目17-20

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