ファッション

ギャルソン展の詳細明らかに 川久保玲も登場

 コスチューム・インスティチュート(COSTUME INSTITUTE)はパリ・ファッション・ウイーク期間中の3月6日、ニューヨークのメトロポリタン美術館(METROPOLITAN MUSEUM OF ART 以下、MET)で5月4日〜9月4日に開催する展覧会「Rei Kawakubo/Comme des Garcons Art of the In Between (川久保玲/コム デ ギャルソン 間の技)」のプレスカンファレンスを開催した。

 登壇したキュレーターのアンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)は展示内容について、「20年前、最も影響力のあるデザイナーは誰かと聞かれたらみんなイヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)と答えた。今同じ質問をしたら間違いなく皆川久保玲というだろう。彼女は常に"無"を偉大なコンセプトとして掲げてきた。そしてその"無"が存在するには"間"というコンセプトがないと成り立たない。彼女はさまざまな概念の間にある"間"の空間、それはときに居心地が良くない空間でもあるが、その中に美しさを見出し、アートフルに表現してきた。展覧会では、その"間"の空間を、彼女がパリデビューした1981年の作品から振り返る。80年代のコレクションは主にブラックの服だけで構成されたコレクションを発表し、業界人を驚かせた。82年の穴の空いたニットは肌とテキスタイル、身体と服の"間"を表現した。また、アシンメトリーやデフォルメしたデザインを多く手掛ける彼女は、未完成のものや完璧ではないものの中にある生々しい美しさを服で語った。決して自分をアーティストと呼ばず、クローズメイカー(服職人)と主張する彼女だが、最近はファッションとアートの"間"の空間、そしてファッションとビジネスの"間"の空間をさらに深く探求するようになった。川久保は昔からクリエイションとビジネスを1つ傘の中で考えてきたが、彼女の"間"の表現はファッションとビジネスの間にある流動的な空間の中にこそ一番濃く表現されているのだろう」と語った。

 同展は「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」がパリコレデビューした1981年の作品から現在まで、約150体のルックを展示するもので、現役デザイナーをフィーチャーするのは1983年のイヴ・サンローラン展以来2度目になる。

【関連記事】
■「ギャルソン」川久保玲展、NYで開催か
■【3月12日まで】山本耀司が展覧会「画と機 山本耀司・朝倉優佳」を開催
■【4月9日まで】デヴィッド・ボウイの回顧展「DAVID BOWIE is」 300点以上の資料や衣装を展示
■【5月22日まで】草間彌生、過去最大級の個展東京で開催
■【9月27日から】「安藤忠雄展」開催 建築界の巨匠のさまざまな挑戦を追う
■【11月18日から】金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」で有名なレアンドロ・エルリッヒが森美術館で個展を開催

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

アパレル業界“裏方”の進化に迫る 「OEM・ODM特集」

アパレルは、彼らをなくして語れないー。そう言い切れるほど、企画・生産において重要な働きをするのがOEM(相手先ブランドの生産)とODM(相手先ブランドの企画・生産)の事業者たちです。繊維商社が巨大プレーヤーとして君臨しながら、中小の専門企業も独自の存在価値を発揮し、生き残っています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。