
2027年春夏の「楽天 ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」には32ブランドが参加し、そのうち15ブランドは海外から集まった。素材や構造を掘り下げたコレクションに加え、ランウエイやインスタレーションなど発表形式も多様化。それぞれに異なる服作りと表現が重なり、東京らしい混沌と熱量を生み出した。一方、「ピリングス(PILLINGS)」をはじめ、海外での経験を重ねたブランドは、自らの強みを更新しながら次の段階へ進もうとしている。27年春夏の会場で見えた、東京ブランドの現在地と新たな可能性を追う。(この記事は「WWDJAPAN」2026年9月14&21日合併号からの抜粋です)
「ピリングス」
DESIGNER/村上亮太
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都会の喧騒に与えた“印象”
今季の東京コレクションのハイライトの1つが、村上亮太デザイナーによる「ピリングス」だ。2025年に「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のセミファイナリストに選出され、注目度の高まりに呼応するようにクリエイションに一段と深みを見せている。「landscapes 2」と題した27年春夏は、3シーズンにわたって掘り下げてきた、日常の中にある曖昧な記憶や印象、現実と夢の境界を巡る探求の集大成ともいえる内容だった。ショーは日常の風景から始まり、次第に色が加えられ夢のような世界へと移り、最後は再び白へ戻る。あえてブラインドを閉め、“印象画”のように映える大窓には、肌が透ける真っ白のセットアップが現れた。「ドレスではないけれど、ドレスのように見えたらいいなと思った」。対してドレスは、カラーパレットの着想源ともなった朝顔のしぼんだ姿から、造花を手掛けるアーティストと共に仕立てた。生地を手で染めた後に熱を加えてしわを寄せ、花びらのような表情を生み出した。花のような服、あるいは服のような花を想定した。また、シャツのムラになったような染めは“泣き糸”を用いた。堅牢度の低い糸で縫製し、その後洗いをかけ、あえて染料をにじませた。職人たちはにじむ様を「泣く」と呼び、本来ならば失敗だが、村上デザイナーはそれを“泣き糸”と名付けた。「デメリットをデザインにしたいと思った。これまでも縮絨によるゆがみや洗濯による縮みなどをあえてシグニチャーとしてきた。どれも変な形を作ろうとしているわけではない。作る中で偶然生まれた失敗や作り手の癖、少し無理をしたことでできた形に、人間らしさを感じる」。
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