
ここ数年、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)やデュア・リパ(Dua Lipa)をはじめとしたセレブの婚約をきっかけに、ブライダルジュエリーのインスピレーションに新たな時代の幕が開けた。ゼンデイヤ(Zendaya)のイースト・ウエストセッティングのダイヤモンドからセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)のマーキスカット、そしてテイラー・スウィフトのアンティーク調のオールドマインカットに至るまで“自分らしさ”にこだわった現代のブライダルトレンドを象徴する婚約指輪と、次世代の婚約指輪選びにインスピレーションを与えるスタイルを紹介する。
セレブらが作る婚約指輪の新たなトレンド
リー・バトニック・プレスナー(Leigh Batnick Plessner)「キャットバード(CATBIRD)」の最高責任者は「トレンドはより“自分らしさ”――つまり、身につける人の個性を強く感じさせる婚約指輪へと移行している。ゼンデイヤやデュア・リパが身につけていたような指輪がこれほど深く人々の心に響いたのも、その点が理由の1つだ。何よりも重要なのは、身につけている本人と深く結びついているように感じられる点だ」と語った。セレブリティーが、より個人的で個性を表現するスタイルへと向かうブライダルジュエリーのトレンドに影響を与えている。
デュア・リパ
5月31日に俳優のカラム・ターナー(Callum Turner)と結婚したデュア・リパは、分厚いゴールドの婚約指輪を披露した。伝統にとらわれないリパの分厚い彫刻的なシガーバンドのデザインは、最近の婚約指輪のトレンドに大きな影響を与えたものの1つだ。
ジェニー・チャン・シーガー(Jenny Chung Seeger agrees)「エリエット(ELIETTE)」創設者は、「厚みがありゴールドの存在感が際立つシルエットが、重量感のあるバンドや石を地金に統一的に埋め込むインテグレーテッドセッティングや日常使いのファインジュエリーとしても通用する彫刻的なデザインの指輪に人気を集めるきっかけになった」と指摘する。「贅沢でありながら、気負いすぎない雰囲気がある。婚約指輪としての自信に満ちた“クールな女性”の空気感をまといつつも、極めて伝統的で型通りのスタイルとは一線を画している」とコメントした。
ゼンデイヤ
2025年1月に婚約を発表したゼンデイヤは、イースト・ウエストセッティングのダイヤモンドのついた婚約指輪をチョイスした。イーストウエストは、ダイヤモンドを横向きにセッティングする手法だ。ロンドンを拠点とするジュエラーのジェシカ・マコーマック(Jessica McCormack)が手掛けたこの指輪は、縦長のクッションカットダイヤモンドをベゼルセッティングで横向きに配したデザインが特徴だ。クラシックなシルエットにさりげないひねりを加えたスタイルに仕上げる。
ジャン・ドゥセ(Jean Dousset)「ジャン ドゥセ(JEAN DOUSSET)」創業者兼デザイナーは、「市場を動かしたトレンドは3つあるが、その核心にあるのはダイヤモンドの形だ。中でも大きな影響を与えたのがゼンデイヤの指輪で、イエローゴールドの台座に細長いクッションカットのダイヤモンドを指に対してイースト・ウエストに、かつ低くセットしたデザインに仕上げた。それまでは一部の愛好家に好まれるスタイルだったセッティングを、誰もが憧れる存在へと変えた」と語る。
プレスナーもまた「セッティングのトレンドも同様に進化している。ゼンデイヤの指輪で大きな注目を集めたイースト・ウエストの配置は、新鮮な視点を与えつつも時代を超えた魅力を感じさせるため、今もなお多くの人々の心に響き続けている」とコメントした。
セレーナ・ゴメス
ベニー・ブランコ(Benny Blanco)からセレーナ・ゴメスに贈られた婚約指輪は、マーキスカットのダイヤモンドが特徴だ。マーキスカットは、ダイヤモンドをラグビーボールのような形状にカットする手法だ。繊細なダイヤモンドを指輪のバンド部分に敷き詰めるパヴェバンドのデザインにマーキスカットのセンターストーンをあしらったデザインは、2つのクラシックな要素を同時に蘇らせた。ボリューム感のあるゴールドのバンドが独自のトレンドを築く一方で、ゴメスの指輪はパヴェセッティングを再び注目の存在へと押し上げ、ダイヤモンドの存在感を際立たせた。
アヌブ・シャー(Anubh Shah)「ウィズ クラリティ(WITH CLARITY)」共同創業者は、「ゴメスの婚約指輪をきっかけに大きな注目を集めたマーキースカットのダイヤモンドに対して強い関心が寄せられている。細長い形状は、指を長く美しく見せる効果があるだけでなく、ビンテージ感とモダンな雰囲気を兼ね備えている」とコメントを残した。
またドゥセは、かつては見過ごされがちだったマーキスカットの形状をゴメスの指輪が復活させたと評価している。「ゴメスのマーキースカットの指輪は、市場シェアが5%未満にとどまっていたこの形状を再び蘇らせた」と述べた。
テイラー・スウィフト
テイラー・スウィフトとNFL選手のトラヴィス・ケルシー(Travis Kelce)の結婚式は、7月2、3日にかけて開催すると見通しだという。スウィフトは、縦長のクッションシェイプのオールドマインカットのダイヤモンドの婚約指輪を披露した。アンティーク調の婚約指輪の人気が急上昇し、骨董品のようなディテールやビンテージカットを取り入れたデザインは憧れを集めるブライダルスタイルの1つになっている。
シャーは、「粒状の装飾のミルグレインやアンティーク調のセッティング、縦長のクッションカットのダイヤモンドなど、ビンテージにインスパイアされたデザインへの需要が高まっている。こうした時代を超えて愛されるアンティークな雰囲気を持つスタイルへの関心はスウィフトの婚約指輪によっても後押しされた」と語った。
シーガーも「アンティーク調のシルエットに引かれる花嫁が増えている。現在、婚約指輪のダイヤモンドの形状のトレンドの主流は間違いなく縦長のフォームだ。特に、縦長のクッションカットやマーキスカット、オーバルカットなどが人気だ。スウィフトの婚約指輪がきっかけで、アンティーク調のカットが持つロマンチックな魅力に大きな注目が集まった。それ以来、ダイヤモンドの形状が縦長でビンテージ感のあるスタイルを選ぶ花嫁が増えている。」とコメントした。
デヴォン・リー・カールソン
モデルのデヴォン・リー・カールソン(Devon Lee Carlson)は、6月17日に婚約指輪を初披露した。カールソンの指輪はスウィフトらが火付け役となったアンティーク調のトレンドを取り入れ、スリーストーン(3石)があしらわれたデザインが特徴だ。ロマンチックなスリーストーンのセッティングに本物のアンティークダイヤモンドが組み合わされている。長らく1粒石のソリティアのダイヤモンドが主流の中、複数の石をあしらったセッティングやクラスターリングが復活しつつある。
シャーは「スリーストーンのセッティング、とりわけ中央に大きなオーバルカットのダイヤモンドを配し、その両脇にオーバルカットのサイドストーンを添えたデザインへの関心が高まっている」と語った。アンティークダイヤモンドの人気が高まる中、スリーストーンのセッティングが婚約指輪の主要なトレンドとして台頭しつつある。