「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は1月15日、創業者・鬼塚喜八郎の生誕地である鳥取県境港市に構える、国内唯一の生産拠点「オニツカイノベーティブファクトリー(以下、OIF)」の開所式を開催した。OIFは、1969年に構えた山陰アシックス工業が56年の歴史の中で培ってきた生産技術と、ミラノの「オニツカタイガーデザインセンター」によるデザイン、神戸のアシックススポーツ工学研究所が生み出す高機能素材が交わる場所として1月から、イノベーションの中核拠点となっている。現在165人が働き、ベトナムやインドネシア、インドなど世界中の工場の模範となるグローバル・マザー工場の役割を担う。また、新たな価値を持つ靴のサンプルもスピーディに開発。すでに裁断から縫製、成形、加工に至るまでの全てを日本で行う“ニッポン・メイド”や、「ジバンシィ(GIVENCHY)」から「ヴェルサーチェ(VERSACE)」に至るまでの海外ラグジュアリーブランドとのコラボレーションモデルはOIFで量産している。中でも洗いや染めに至るまでの独自加工は強みだという。
アシックスの廣田康人会長CEOは、「私たちは鳥取と深い縁を持ちながら、日本の匠の技を融合してきた。改めてブランドも高く評価いただいている。 OIFは、成長をさらに加速させるグローバルの中核拠点。ファッションとスポーツ、ヘリテージとテクノロジーで独自のポジションを築いた『オニツカタイガー』の中核は、日本のクラフツマンシップによる高付加価値なモノ作り。これを継承しながら、新たに生まれ変わる。OIFは企業活動の拠点でもある。地域と共に成長する存在でありたい」と話した。
ミラノ・ドゥオモに旗艦店オープンも発表
ミラノと神戸、鳥取のイノベーション・トライアングル
また庄田良二オニツカタイガーカンパニー長は、「『オニツカタイガー』は、①哲学や世界観、空間そのものを体験していただくための世界の主要都市でのグローバル大型旗艦店、②さらにスピードを上げる技術開発の強化、③香水やカフェ、アートなど五感で楽しむブランド体験の拡張、④ミラノ・ファッション・ウイークへの参加を含めたブランド価値そのものの引き上げで、グローバル市場での評価を着実に高めている。業績への影響は顕著で、2025年の通期決算では(ブランド単体で)売上高1280億円を見込んでいる。この成長を持続可能なものとして定着させるための重要なピースがOIF。イノベーションの基盤となる熟練の技と、海外でも同じ品質・同じ思想を体現するために平準化した工程とを両立させる。ミラノデザインセンターとアシックススポーツ工学研究所、そしてOIFの“イノベーション・トライアングル”で、最先端のデザインと素材、匠の技と融合させたい。職人技の体系化や人材育成を担う場所でもある」と話した。また庄田カンパニー長は、9月にはミラノのドゥオモ地区に新しい旗艦店を構え、そこにはリストランテを設ける計画があることを明らかにした。
俳優の山下智久は3回目のコラボ
鳥取砂丘を思わせるベージュの一足発表
開所を記念して、俳優の山下智久も登壇し、「オニツカタイガー」との3回目となるコラボレーションモデルを発表した。OIF生産の特別モデルだ。 山下は「自分も『オニツカタイガー』も、日本から世界に挑戦している。さまざまな国々でカルチャーに触れるたび、グローバルスタンダードを吸収できるとともに、日本の独特の精神や日本の文化のありがたさを感じる。こういった経験が、僕や『オニツカタイガー』の創造性には反映されているのではないか?『オニツカタイガー』はシューズというよりもカルチャーを作っているブランドなので面白いと思うことを積極的に一緒にやっていきたい。今回のシューズで大事にしたのは、“メキシコ 66(MEXICO 66)の普遍的で変わらない輝き。輝いているからこそ、逆に特別じゃないとき、日常に寄り添ってくれる友人のような存在にしたいと思い、シンプルなベージュ1色でデザインした。傷も汚れもつくだろうが、その1つ1つが靴との絆、思い出になっていくと良い」と語っている。