ファッション

【クチュール速報】「ヴィクター&ロルフ」、クチュール組体操で描く竜安寺の石庭

 ブランド設立20周年を祝い「ヴィクター&ロルフ」が5年ぶりにクチュール・コレクションにカムバックした。

 会場には、小石を敷き詰めたようなドットプリントの巨大な布。ショーは、デザイナーデュオがステージ中央で座禅を組み、悟りを開くかのような場面から始まった。2人が一息つくと、今度はモデルが登場。全員黒のテクニカルシルクのドレスで、そこには「ヴィクター&ロルフ」のアイコンである大きなリボンもあるが、ナゾのくぼみやナゾのひだ、そしてナゾのファスナーなどが走っている。いずれも左右非対称のアシンメトリーで、アヴァンギャルドなシルエットだ。

 モデルは会場を一周すると、デザイナーの元にやってきて、座ったり、寝転んだり、立ちすくんだり。2人はポーズを決めた彼女たちのドレスのドレープの具合、特に地面に広がった裾などをチェックし、必要あらば修正を加えていく。すると次のモデルは、前のモデルに背中を預けたり、肩を寄せたり、はたまたドレスの巨大な裾で彼女を隠してしまったり。こうして、まるで組体操のように複数のモデルがグループで1つの形を作っていく。

 最終的に生まれたのは、デザイナーが2年前に訪れた京都・竜安寺の石庭を思わせる岩だった。「ヴィクター&ロルフ」は、3人か5人、ないしは9人で作る岩の形を最初に決めて、その後、岩を複数のパーツに分解。一人ひとりのドレスに形を落とし込んでいった。つまり、今シーズンのドレスは、最初に一着一着の形があるのではなくて、最終的には組み合わせて岩の形にするための部品の一部というわけだ。通常のプロセスをあえてさかのぼるような実験的クリエイション。クチュールの、新しいものを生み出す場という機能をあらためて認識させる。

【コレクションの全ルックはコチラ

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。