
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月9日号からの抜粋です)
五十君:一昨年、昨年と登山特集をやって反響が良く、今年もやるぞ!と考え始めたときに、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」がトレラン(トレイルランニング)用シューズ開発を強化、「ミレー(MILLET)」が日本でもトレラン向けカセットの販売を開始し、トレランに焦点を当てたら面白いかもと。お!その靴はまさに今ファッション文脈でも人気のカナダ発の新進ブランド!!
本橋:「ノルダ(NORDA)」です。某男性誌の編集者が泥まみれでトレランしている姿をインスタで見て、カッコよくて買ってしまいました。今行ってきた展示会でも褒められました。
「もっと知りたい」と思わされる
五十君:さすがおしゃれ番長!表紙でGAKU-MCさんも「ノルダ」を履いています。今回の特集で印象的だったのは、トレラン界隈の旬な場所に行くと、みんな横の繋がりがあって、ストリートカルチャー的な広がり方をしていることです。2017年12月の弊紙「藤原ヒロシというビジネスモデル」特集で、ヒロシさんが「ストリートは横のつながりで同時多発的に広がっていく」と語っていました。「90年代のストリートは裏原、2000年代はIT、2010年代は食だ」ということでしたが、「2020年代のストリートは山にあるんだな」と。自己表現やカルチャーとしてのトレランは、そのシーンに触れた人に、やってみたいと思わせるパワーがあると感じます。
本橋:激しく同意です。僕も一昨年の登山特集を手伝った際に、深淵を見ました。山のコミュニティーの人たちは人生に対する目線が自分とは違っていて、「もっと知りたい」と思わされるんですよね。
五十君:正直、トレランってハードルが高いですが、安全のため人と行動するからこそコミュニティーも生まれやすい。「別にずっと走らなくていい、歩けばいいから挑戦してみて」と皆さん口々に言ってました。最後に、何度も相談に乗っていただいたゴールドウイン(GOLDWIN)の後藤太志ザ・ノース・フェイス事業本部ハードグッズ事業部長にこの場を借りてお礼申し上げます!