
一粒万倍日の商戦の場としてはまず、百貨店の売り場が挙げられる。吉日として世間一般からの認知を獲得した今、現場はどうなっているのか。高島屋、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武、阪急阪神百貨店、松屋の百貨店5社のバイヤーらに話を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月9日号からの抜粋です)
商力自体は低下も“とある指摘”
2024年の年初に実施した取材では、全百貨店のバイヤーが、「一粒万倍日に対する顧客意識の変化を感じる」と回答していた。これを受け、当時の「WWDJAPAN」は、「多くの人が一粒万倍日を知るようになり、『どうせ買うなら縁起の良い日に』という機運が高まっている」と結論付けた。
約1年半後の取材となった今回は5社全てが、「全体的に落ち着きつつある」と回答した。「以前は、最強開運日当日に、通常時の約3倍の売り上げがあった。現在は約1.5倍が関の山」(大丸松坂屋百貨店 大丸大阪梅田店 営業2部 インターナショナルブティック・アクセサリー担当の改發朋美マネジャー 以下、大丸松坂屋百貨店)。「点数・売り上げともに、通常時よりは伸長する。しかし、開運日当日の目的買いは減少している」(松屋 ショップMD部 MD一課 バイヤーの千田暖実氏 以下、松屋)。
これに対し、「事前に財布を購入し、開運日当日に使い始める人が増えたから」(阪急阪神百貨店 阪急本店婦人服飾品営業統括部 婦人服飾品商品部 MDの春風信介氏 以下、阪急阪神百貨店)と見る声がある。「財布は事前購入が多い。一方、バッグは開運日当日の購入が目立つ」(松屋)。「開運日当日が平日だと、館まで足を運べない人が多い。そのため、『使い始めが開運日』という人が増えているのでは」(大丸松坂屋百貨店)。
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