しまむらは、2027年2月期を最終年度とする連結の中期経営計画を上方修正すると31日に発表した。売上高は7250億円(当初計画は7190億円)、営業利益は665億円(同660億円)、ROE(自己資本比率)は9.0%以上(同8.0%程度)にそれぞれ目標値を上げる。売上高では特にEC売上高を180億円(同110億円)へと大幅に引き上げる。既存店の競争力を高めるため、3年間の改装店舗数も当初計画の150店舗を250店舗に増やす。
中計の初年度である25年2月期の好業績を受けて決定した。しまむらの2025年2月期連結業績は、売上高が前期比4.8%増の6653億円、営業利益が同7.1%増の592億円、純利益が同4.5%増の418億円だった。全項目で過去最高を更新した。引き続きPB(プライベートブランド)やJB(ジョイントデベロップメントブランド)などの自社開発商品、中でもキャラクターやインフルエンサーとの協業品がよく売れた。
EC売上高は129億円で、中計の目標を初年度で達成している。とはいえ、売上高に占めるEC化率は2.0%に過ぎず、伸び代は大きいと見る。
主力業態「ファッションセンターしまむら」の既存店ベースの売上高が同4.3%増だった。客数は同2.9%増、客単価は同1.4%増。PB「クロッシー」「クロッシープレミアム」やJBの付加価値の高い商品の動きがよく、値引きが抑制された。
31日にオンラインで開催された決算説明会で、3月1日に就任した高橋維一郎社長は営業畑が長い自身のキャリアを紹介し、「自分の強みは変革する力。常に変化を続けるマーケットに対し、商品や販促で変革を実践してきた。今後は組織の変革に取り掛かりたい」と抱負を述べた。