「ゲラン(GUERLAIN)」は2月1日、ブランドを代表するライン“アベイユ ロイヤル”のブースト美容液“ウォータリー オイル セロム”(30mL、1万4300円/50mL、1万9800円)をリニューアル発売する。ミツバチとハチ由来成分の持つ自己修復力に関する研究プラットフォーム「ビー・ラボ(BEE LAB)」の研究を基に処方をアップデート。フレデリック・ボンテ(Frederic Bonte)=「ゲラン」サイエンティフィック コミュニケーション ディレクターにリニューアルの重点や、「ゲラン」の製品開発について聞いた。
PROFILE: フレデリック・ボンテ/「ゲラン」サイエンティフィック コミュニケーション ディレクター

WWD:5代目となる製品のリニューアルの着想源は?
フレデリック・ボンテ=「ゲラン」サイエンティフィック コミュニケーション ディレクター(以下、ボンテ博士):美容医療における脂肪注入注射後の肌は、ボリューム感だけでなく質感の改善も見られることに着目した。そこから肌の修復や再生において重要な役割を持つ間葉系幹細胞の研究を進め、今回の処方を完成させた。
WWD:処方の特徴は?
ボンテ博士:「ゲラン」が持つ300種類を超えるハチミツの分析データをもとに、約3年かけて3種のブラックビーハニーを選び抜いた。独自ルートで調達したロイヤルゼリーとブレンドし、エイジングやストレスなどにより低下した間葉系幹細胞の活性化にアプローチする。輝きのある肌を演出する“グロウブースターコンプレックス”や、プロポリス、ヒアルロン酸も新たに配合した。オイル成分はマイクロビーズに配合することで、オイル美容液特有のベタつき感を解消。また天然由来成分を99%まで高めた。
WWD:5代目まででハチミツの何が分かってきたのか?
ボンテ博士:ハチミツの品種によって含有成分の違いや役割についての研究が進んでいる。分析の手法も年々進化してきた。ハチミツの栄養素をより細かく分析できるようになり、今回のリニューアルが実現した。同じブラックビーハニーでも、生息地や周っている花の種類などにより構成要素が全く異なる。今回はフランス、アイルランド、ノルウェーの黒ミツバチから採れたブラックビーハニーを採用した。

WWD:ハチミツ採取の仕組みは?
ボンテ博士:養蜂家の生産体制を細かく確認し、ハチミツの長期的な共有ができる強固なパートナーシップを結んでいる。フランスのウェッサン島には「ゲラン」のためだけに働いてくれる養蜂家もいる。「ゲラン」の研究者は年数回ウェッサン島やアイルランド、ノルウェーに赴き、現地の養蜂家と直接コミュニケーションを取っている。「ゲラン」は肌組織や成分の研究だけでなく、ミツバチの生態系や養蜂家の働き方も重視する。よい原料なくして、よい製品を作ることはできない。
WWD:6代目、7代目へ向けた計画は?
ボンテ博士:今後のプロジェクトはまだ秘密だ。「ゲラン」が注目する黒ミツバチは多くの可能性を秘めているので、ブラックビーハニーの研究を続けさらなる進化につなげたい。また皮膚間葉系幹細胞についても、老化科学と再生を研究するフランスの研究機関、リストア研究所と連携し研究を進める。
WWD:“ウォータリー オイル セロム”は特にどのような人におすすめなのか?
ボンテ博士:肌のハリや潤い、輝きを求める人に特におすすめだ。肌の深層部まで潤うことで、毛穴やキメの乱れの目立ちにくさにもつながる。評価テストでは肌の赤みが落ち着いた結果も見られたので、敏感肌の人も使用できる。単体でも効果を発揮するが、“アベイユ ロイヤル”の中では“アドバンスト ダブルR セロム”(30mL、2万570円/50mL、2万8160円)との組み合わせを推奨する。より肌状態を向上することができるだろう。