ビューティ

製造原価を表記するスキンケアブランド「ニュースケープ」誕生

長年、オーガニック・ナチュラルコスメ業界の第一線で活躍してきた小木充氏が、無香料のナチュラル&オーガニックスキンケアブランド「ニュースケープ(NEWSCAPE)」を立ち上げる。天然由来成分100%処方のクレンジングフォーム、洗顔フォーム、化粧水、水溶性美容液、乳液、保湿クリームの6品(2072〜2454円)をラインアップし、ミニサイズ4種をセットにしたスターターキット(3990円)も用意。ECを主販路に、7月12日に自社ECで先行発売し、8月4日に販売を開始する。

「ニュースケープ」は、「サーキュラーエコノミーを目指す」「過剰な追加生産行わない」「化粧品原価をオープンにする」をコンセプトに掲げる。ブランド名は“New+Scape=新しい景色”を意味し、「新しい景色に出合わせてくれるような」思いを込めた。また、花茎という意味も持つ“Scape”を重ね、植物へのリスペクトという意味合いも込められている。

共通成分として、ハダカムギ(大麦)葉汁、フェンネル果実エキス、アルテア根エキス、セイヨウノコギリソウエキスなどを配合。肌荒れ抑制が期待でき、保湿や保護の機能を持つオーガニック成分が含まれている。さらに、不純物で処方が崩れてしまわないように、純度100%の超純水を使用。肌への心地よさを追求した。年内に2商品が仲間入りする予定だ。

同ブランドの大きな特徴は「unscented(限りなく香らない無香料)」で、「決して香りを否定するものではなく、無香料の化粧品を使うことで一度リセットすること、より香りに対する感受性を高めるきっかけにすること」を提案する。パートナーや家族でシェアしやすく、香りに敏感になった妊婦にも使いやすい。

容器は植物由来の原料を使用して作られるバイオマスPETを使用。クレンジングフォームと洗顔フォーム以外は、プラスチック商品の焼却処分時に発生するCO2を削減する日本発の技術を採用する。さらに、化粧箱の印刷や裁断過程で発生する通常は廃棄処分となる紙を集めて、スターターキットの外箱にリサイクルするなどゼロ・ウェイストへの取り組みも行う。

生産は、SBT認証を取得した企業や、実質自然エネルギー由来100%(CO2フリー)の電気のみを活用し、GMP認証を取得した工場で行う。また、「作る過程から、お客さまのもとへお届けするまでCO2排出実質ゼロを目指す」ことから、商品の出荷から配送会社の倉庫まではEV配送車で運搬。倉庫から顧客の手元に届くまでの手段についてもカーボンオフセットを実施する。

3年後に5億円の売り上げを目指す

商品は全てコスモスナチュラル認証が取得できるレベルだが、“あえて”認証にこだわらないという。そこには、黎明期からオーガニック・ナチュラルコスメ業界をけん引してきた小木充「ニュースケープ」代表の「オーガニック認証を取得するための費用をプロダクトの上代に乗せ、それをお客さまから徴収するのは本望ではない」との思いがある。外箱に製造原価を表記するという大胆な発想も、こだわりの成分と処方でありながら2000円台という価格設定も、業界を深く知り、持続可能な発展を見据える小木代表の決意の表れだ。

デビュー後は地方でのポップアップイベントなども検討していく。「3年後には5億円の売り上げを目指す。東南アジアを中心に海外での販売にも力を入れ、将来は日本での売り上げ比率が全体の20%程度になるグローバルブランドにしたい」と小木代表は青写真を描く。

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