ファッション

大量生産とサステナビリティ 矛盾と向き合うOEM会社が出した一つの答えがセレクト店に

 アパレル製品・服飾雑貨のOEM/ODMを手がけるインターセクション(Intersection)はこのほど、東京・新宿ミロードにコンセプトショップ「サステナブルシンク(Sustainable Think.)」をオープンした。「OEMの仕事は一点でも多く受注を取り、物を作ることで成り立っており、サステナビリティについて自分たちは何ができるのか矛盾の中で自問自答してきた」と語る高田寛人社長が出した一つの答えが同店だ。物作りのネットワークの中で知り得た「サステナビリティやSDGsにつながる」と同社が考えるブランドや商品を集めて紹介。ファッションデザイナーのササキハルキとデザイン会社のペーパーパレードとタッグを組み、ポップな内装の中で「サステナビリティに関心がない人が目を留めるきっかけ、特に若い世代が手に取るきっかけを作りたい」と語る。

 セレクトを主に担当したのは同社のZ世代だ。「可愛くて自分が惹かれるもの。買いやすい値段。そしてものづくりのストーリーに共感できるもの」をセレクトした。価格は1万円以下を基本とする。

 オープン後2週間の売れ筋は、サッカースタジアムの芝生用養生シートを再利用したカラフルなバッグ「マテモノ(MATE-MONO)」や、アフリカ・ウガンダの工房でエシカルなものづくりを行う「リッチ・エブリデイ(RICCI EVERYDAY)」のバッグなど。いずれも大小のバッグをカラフルに店頭に並べたことで目を引いた。

 他に、1900年代初期製のヴィンテージ編み機を使うことで裁断生地ゴミを減らしたインナーブランド「パーム(PALM)」、サトウキビ由来のポリ乳酸繊維を使ったタオル「バイオ タオル(BIO TOWEL)」なども好調だという。

 今後は、OEMの仕組みを生かしてアイデアがある新進企業がそれを具現化し発表する場に発展させたいと高田社長。「今は多くの新進企業や素材メーカーがサステナビリティに取り組んでいるものの、その開発商品を発表する場は多くない。僕らはハイテクな最新素材の開発は難しいが、この場を素材を開発する工場やメーカーなどがクリエイティブから商品ローンチ、店頭販売までを一括で行えるラボショップの機能を備える場として育てたい」。

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