ファッション

ファッション好きが集まる青学のサークルが考える「作り手の責任」 Z世代のサステナブル観とは

 ファッション系の大学生サークルも、最近はサステナビリティを強く意識している。現役大学生の多くは、デジタルネイティブのZ世代。その存在感は大きくなるばかりで、つながり方や対話方法を模索する企業も多いだろう。そこで「WWDJAPAN」は現役大学生らとタッグを結び、彼らのリアルやファッション業界への思いなどを届ける。どんなサークル活動をしているのか、またいち“若者”として、業界に発信したいことなどを寄稿形式で語ってもらった。

 ファッションのデザイン・生産・販売まで行うファッション"ブランド"サークルのAoyama Fashion Association(以下、AFA)は、ブランドやデザイナー、アーティストから刺激を受けながら本格的にデザイン活動をしています。2018年に設立し、青山学院大学の学生を中心に約100名のメンバーが在籍。青山・渋谷エリアという活動拠点を生かし、”ブランド”と呼ぶに相応しいクオリティーの服作りを追求しています。

 制作コンセプトは、「プロと共に最高品質のファッションを作る」。大学のファッションサークルでは自分たちでデザインから縫い上げまで行うのが一般的ですが、私たちはデザインに専念するためにパターンや縫製を完全外注化しました。学生のクリエイティビティーを最大限デザインに落とし込み、アイテムも製品レベルのクオリティーに仕上げることを目標としています。

 現役のファッションデザイナーを顧問に招き、リソース集めからイラストレーターソフトの使い方など、プロの側でデザインを学びながら日々活動しています。出来上がったアイテムはメンバーのディレクションのもと、プロカメラマンとパリコレ等で活躍するプロモデルを起用して撮影します。生産から撮影までをプロと協力して行うことで、ブランドとして洋服そのものから見せ方までを徹底的にこだわっています。

 完成した洋服は3月に開催する展示会で発表します。そこでさまざまな人に実際に手に取って見てもらうことでAFAの制作の意義を感じ取ってもらう機会を創出。学生だけでなく業界や社会との新しいつながり、“ニュー・アソシエーション(New Association)”をつくるきっかけになればと思っています。

 AFAは20年度から新体制となり、21年現在は3つのチームに分かれ活動をしています。あらゆるデザインを担当する「デザイン」チームは、ファッションデザインとデジタルデザインを設けてアイテムからグラフィックまで幅広くデザイン。「プレス・ディレクション」は魅せ方を追求するチームで、SNSの運用といった広報活動や撮影、企画をディレクションします。「プロジェクト」は企業とのコラボや団体内で行うイベントの企画を担います。これまで農業関連の企業や美容健康関連の企業とのコラボイベントを実施。デザインチームがシャツやエプロン、トートバックをデザインし、プレス・ディレクションチームで撮影やPR企画を展開しました。3チームがそれぞれの得意なことを活かし、密に連携しています。

 「実際に自分の手で服を作ることができないメンバーにもデザインやクリエイティビティーを発揮してもらいたい!」という想いがあり、デザイナーであっても自分で縫い上げる必要はないという現在の体制を作りました。体制の再構築に際して、メンバーに「理想のサークルは?」と本音を聞いたところ、共通して「成長できる環境」という強い思いがありました。学生のうちから“本物”に触れ、本格的な活動に挑戦するべき環境を築いています。「服を作るが自分たちで縫わない」「ブランド・高級志向」が私たちの強みです。外注による最高品質の服製作に挑み、プロとともに本格的に活動する唯一無二の団体だと自負しています。

 今後は、ファッションブランドサークルとして、独自のブランディングとデザインをはじめとするあらゆる活動のクオリティを高め、学生からも業界や社会からも「ファッション団体といったらAFA」と認識されるような団体になることを目指しています。コラボなどを通してファッション産業に根強く残る環境問題に「AFAならどうアプローチしていくか」とメンバー自身が改めて考え、各々の言葉で発信していく機会にしたいです。AFAがブランド同様に洋服を生産する団体であるからこそ気付くことや疑問に思うことに着目して、生産者として「作る側の責任」を考えて発信していけたらと思います。


 9月20日発売の「WWDJAPAN」は、ファッション系サークルを持つ4つの学生団体の声に耳を傾け、Z世代のファッションとサステナビリティに対する意識や考えを調査。Z世代とのコミュニケーション方法を模索する業界人は必読だ。

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