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ヴィーガンや美肌プランも 多様化した宅食で生活を整える ウィズコロナで進化する幸せ産業

 私は「自炊は粗食に限る」主義だ。自宅での食事は玄米ご飯と具だくさんのお味噌汁で、足すとしても漬物やお浸しの類のみ。とにかく素朴、かつ粗末で、そっけない粗食はコストも手間もかからない。なによりカロリーを抑えられるのがメリット。おいしいもの、食べたいものは外食に頼っていた。

 だが、コロナ禍で自炊生活が長引き、。幸か不幸か地方出張は相変わらず続くので、外食する機会はあるのだが、帰りがてら居酒屋にふらりと立ち寄る、会食しながら打ち合わせをする楽しみはなくなった。粗食とはいえ、自炊で好きなものばかり食べているとバランスを崩すし、単調になる。「これはいかん!」と思っていたときに、ある媒体で「宅食特集」を担当し、その進化に驚いた。

 宅食サービスというと、介護食や味気ない冷凍の弁当をイメージする人も多いかもしれない。だが現状は大きく異なり、それぞれの趣向や要望に応えた、しかもスタイリッシュな宅食が増えている。ユーザーもマクロビ食を日常に取り入れているような健康意識が高い人やアスリートが多い。必要に迫られての宅食ではなく、“あえて”宅食を選ぶ時代になっているのだ。

 定期的に宅食を取り入れることで、日常にリズムが生まれ、食生活が整う。カロリーや糖質、各栄養素も数値化されていて、パーソナルトレーナーのように体調管理を担ってくれそうなサービスもある。また外食できない分、プロによる調理を自宅で楽しみたい人も多いだろう。今や宅食は“娯楽”でもあるのだ。

糖質も塩分も明確に表示 体質改善の強い味方となる宅食も

 バイタル改善の治験結果を元にした栄養価基準で、自社の管理栄養士とシェフがメニュー開発に取り組んでいるのが、「ナッシュ(NOSH)」だ。全メニュー、1食の糖質は30g以下、塩分は2.5g以下に設定されている。常時60種あるメニューから自由に組み合わせることができ、毎週新メニューが2品(種)登場するので、いつも新鮮な気分を味わえる。全メニューにカロリーやたんぱく質、塩分、糖質、脂質、食物繊維の数値が表示されているので、体調に合わせて選ぶことができる。

 3種の副菜の色味も計算され、そのままお皿に盛り付けるだけで食卓が華やぐ。容器はサトウキビ由来のパルプモールド素材なので、そのままレンジに入れられて、プレートにもなる。リモートワークで疲れたときは、庭やベランダでピクニック気分を楽しむのもいいだろう。プランは6食、8食、10食セットの3種。メイン料理のほか、糖質を2.4gに抑えたパンや糖質4gのロールケーキなどからセレクトする。1食あたりの価格は6食プランでは698円だが、累計食数によって最大499円にまで割引される。配送の間隔も選択できるので、日常にうまく取り入れれば、ヘルシーな食生活を継続できそうだ。

妊娠中や美肌目的にも特化 細分化したメニューが魅力

 「フィット フード ホーム(FIT FOOD HOME)」の目的別宅食メニューにも驚く。例えば、“キレイミール”は美肌と腸活に特化。生きたまま腸に届く善玉菌と、その栄養となる食物繊維やオリゴ糖などを一緒に摂取できる「シンバイオティクス」を実現し、内側からの美と健康を目指す。主食となるのは、オートミールをベースとした腹持ちのいいサラダ。沸騰したお湯を注げば生きた乳酸菌を体に届けられる味噌汁の素、味噌玉も具材とともに添えられている。腸を整える食物繊維たっぷりのポテトのデザートが毎食付くのもうれしい。

 妊娠中や妊活中の女性を応援するメニュー“ママミール”もある。栄養バランスを考え、女性に必要な葉酸や鉄分を強化し、女性のアンチエイジングケアやPMS対策にもおすすめだという。そのボリュームと品数にも驚くが、食材も色とりどりでなんともフォトジェニック。主食の玄米や雑穀を取り入れた主食のバリエーションも豊富だ。

 “ダイエットミール”では主食はムング豆を炊いたダールに置き換え、キーマカレーやトマト味のパエリア、イカスミ味とごちそう感のある調理で楽しむ。高たんぱく低カロリーなだけでなく、脂肪燃焼しやすい体へとシフトすることを意識したダイエット宅食だ。トレーニング強度など個人によって理想の摂取カロリーも異なるので、1食のカロリーを300、400、500の3種から選択できるシステムになっている。価格は5食セットでダイエットミール300が5800円(税込み6264円)、400,500がそれぞれ5800円(税込み6264円)。

 「フィット フード ホーム」は選択肢の幅広さも特徴で、1食ごとのボリュームやカロリーもチェックできる。主食は含まない“おかずプレート”では、低糖質や高たんぱくなどの項目から選べ、驚くことに低たんぱく低カリウムというセットもある。まさに多様な目的、体質、趣向に合わせたサービスだ。

好みや目的をカスタマイズしたパーソナルスープという選択も

 「グリーン スプーン(GREEN SPOON)」は、無添加野菜たっぷりのスムージー&スープの定額パーソナルフードの宅食サービス。パーソナル診断ページで悩みや生活習慣、好みやアレルギーなどをチェックすると、それぞれにあったメニューを提案してくれる。朝ごはんの代わりに置き換えたり、いつもの食卓にプラスすることで、1日に必要なビタミンやミネラルをおいしく、賢く摂取できる。

 管理栄養士でありフードコーディネイターの渥美まゆ美が開発したスープは「Under Power-13品目のカリコリ根菜和風スープ」や「Green Mermaid₋サバとアボカドのココナッツグリーンカレー」など、ゴロゴロ野菜たっぷりでわくわくするネーミングがそろう。作り方はいたって簡単で、水を加えてレンジで温めるだけ。不足しがちな野菜を無理なく補えそうだ。

 旬の野菜やフルーツに、チアシードやモリンガ、デーツなどのスーパーフードを組み合わせたオリジナルレシピのスムージーも栄養満点だ。「Cheer up」「Sweet vacation」「Be HERO」など、ネーミングもキャッチーで誰かに伝えたくなる。定額以外にもメッセージカード付きで発送するギフト対応もしているので、なかなか会えない家族や友人に贈るのもよさそうだ。

週末ヴィーガンを試すなら「パープル キャロット」のミールキット

 料理が苦手な人でも失敗しないミールキットが「パープル キャロット(Purple Carrot)」。2014年にアメリカで創業したヴィーガンミールサービスを、野菜の宅配で知られるオイシックスが19年から日本で運営している。20分程度の調理で完成するヴィーガン料理の材料を、必要な分の野菜とともに配送。誰でも失敗なく、プロの味付けのヘルシーメニューを実践できるというわけだ。週替わりで4種類のメニューから選べるサブスクは、2人前(税込1211円)から用意されている。

 実はこのサービス、ヴィーガン対応でありながら、愛用者の8割はノンヴィーガン。「時々ヴィーガン」をコンセプトに、気軽に楽しめる菜食レシピを提案している。動物性のものをすべて排除するのはハードルが高いが、週末や決まった曜日にヴィーガン宅食を取り入れ、疲れた胃腸を整えるのはいいアイデア。生活にリズムがつきそうだ。

 「パープル キャロット」は有名シェフとの限定コラボにも積極的で、青山のヴィーガンレストラン「ザ・バーン(The Burn)」による「米澤流レモンカレー」や、ベジソバのソラノイロの「ヴィーガン担々麺」など、人気店のメニューを自宅で再現できる。華のある一皿はちょっとしたおもてなし料理にもなりそうだ。こんな非日常を味わえるのもときどきヴィーガン生活の楽しさだろう。

 日常をアップデートするだけでなく、コロナ禍でのささやかな気晴らし、気分転換になりそうな進化系宅食サービス。こんな時期だからこそ、試してみては。

間庭典子(まにわ・のりこ)/フリーライター:婦人画報社(現ハースト婦人画報社)を退社後、ニューヨークへ渡る。現在は東京を拠点に各メディアに旅、グルメ、インテリア、ウエルネスなど幅広いテーマで執筆。著書に「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」「走れば人生見えてくる」(共に講談社)など

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