ファッション

Z世代に人気のアイウエアブランドが循環型プロジェクトを開始 

 オランダ発のアイウエアブランドの「エース&テート(ACE & TATE)」は循環型プロジェクト、リフレーム(Reframe)を開始した。ギフトコードと引き換えに顧客から中古モデルを集め、フリマアプリの「ディポップ(DEPOP)」で再販する取り組みだ。

 「エース&テート」はオリジナルの度入りメガネやサングラスのフレームをオンラインと店頭で展開するアイウエアブランド。無料の視力検査も実施し、度入りレンズ込みで98ユーロ(約1万2000円)から販売する。今回「ディポップ」と連携する初のアイウエアブランドとなる。Z世代やミレニアル世代をターゲットとしていることから、同世代に人気を集めるプラットフォームでの販売に乗り出したという。

 アップサイクルされたフレームは、正規価格より20〜50%安く販売する。フレームだけでなく度入りレンズも「ディポップ」で購入可能になる。また同ブランドは「ディポップ」からの購入者に向けて最新の診断結果を共有するようメッセージを送り、購入者が過去数年間で視力検査を行なっていない場合は近所の店舗で無料で受けられるようにしている。

 「エース&テート」のマーク・デランゲ(Mark de Lange)最高経営責任者(CEO)は電話でのインタビューで、「リフレームプロジェクトは環境により負担のかからない方法を追求した結果だ」と述べた。アイウエア市場の規模は1200億ドル(約12兆円)に発展しており、一般的にプラスチックが原材料の多くを占める。「われわれは石油ベースのものではなくリサイクル可能な資源で、生分解(微生物の働きによって無機物まで分解されること)が可能なアセテートとバイオアセテートを引き続き使用する」という。

 なお同プロジェクトは現段階では収益拡大を目的としていないが、「将来的には収益化も考えている。でも今は責任ある一歩に向けて動くことに重きを置いている。金銭的意味合いを持たせていないことで、プロジェクトに余裕も生まれている」と述べた。

 アイウエアをよりサステナブルなものにすることは「洋服より複雑だ」と言うデランゲCEOは、「私たちの仕事は環境負担を軽減するために何ができるかを見極めること。われわれは自社をサステナブルな企業とは位置付けていない。なぜなら実際にそうではないから。ただできる限りのことをしようとしている」と語った。また、多くの廃棄物の元となっていたパッケージも刷新した。

 「ディポップ」のスティーヴ・ドゥール(Steve Dool)=パートナーシップ責任者は、「すでに人気を集めているブランドが『ディポップ』を介して積極的に循環型モデルを取り入れ、同じく循環性を大切にする消費者に寄り添っているのは素晴らしいこと。われわれのアプリでは従来の小売モデルの範囲内ではできない方法で、消費者層と直接関わる機会を提供できる」と述べた。

 「エース&テート」は6月に投資ファンドのリンケルバーグ・キャピタル(Rinkelberg Capital)から1425万ユーロ(約17億円)を得て、累計5750万ユーロ(約70億円)を調達している。

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